君のためにやること








※♂ミサキ君と♀アイチちゃん



ミサキ君はいつも僕を助けてくれます。例えばデッキチェックし終わった後、テストプレイするのに周りに声を掛けられないときにはすぐに現れて応じてくれます。後、鈍臭い僕をいつも見ていてくれてるのかな……異変があるとすぐ気付いてくれます。

ミサキ君は有名なお金持ちの男子校の人で、中学校でも良く噂になっています。
背が高くて、格好良くて、綺麗で……みんなの言っていたことを上げたらきりがないくらいに。
早いうちからお父さんとお母さんを無くして叔父の店長と二人くらししていて家事だってこなせる。

僕なんてエミに火さえ扱わせてくれないのに。


「ミサキ君って何でも出来るから凄いね」

「そう? そんなことないと思うけど」

「前にもらったお菓子も美味しかったよ」

「…………そう」


お菓子というのは僕がサイクオリアでおかしくなっていた後のこと、周りを気にしすぎていた僕のために作ってくれた。
ミサキ君は無表情だった顔を和らげているとその話を聞いていた店長がこういった。


「ミサキが頑張って練習していたお菓子、あれはアイチさんにあげるためでしたか」

「うっせぇな!」


ミサキ君は耳まで赤くして店長を殴り掛かろうとしていた。僕は嬉しくて、つい期待してしまいそうだった。




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