つまらぬ妄想より








「櫂君」

「なんだ?」

「僕のこと好き?」

「ああ………」


するとアイチは嬉しそうに俺に擦り寄って来た。幸せそうとでも言おうかその顔は微笑ましく、愛しいものに感じた。
俺の膝に乗り、照れ臭そうに視線をずらしながら「それだけ?」と言う。だからアイチの望む言葉を口にすると、自分からそう言うように仕向けた癖により一層頬を赤くしていた。

アイチに身を任せるとゆっくりと押し倒されてアイチがマウントポジションをとっていた。


「今日は僕が動くから……」

「出来るのか?」

「………分かんないけど…、でも櫂君に気持ち良いって思ってもらえたら……」


アイチはそう言って俺のジーンズを脱がそうと手を伸ばした。



「と、言う夢を見た」

「……………なんつーか」

「なんだ」

「お前どんだけ欲求不満なんだよ、夢の中でアイチ汚すなよ」

「仕方ないだろう、自然現象だ」

「違う、絶対違う」


櫂がアイチとそれを匂わせる関係なのは三和も薄々感付いていた。故に今までスルーにスルーを重ねてきたが遂に末期に突入したらしい。

昼に聞かされて三和はうんと食欲を奪われてしまった。




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