ひとりじょうず | ナノ




最終章
   └二十三



― 終幕 ―

赤く燃える朝焼けは、涙の色だった。

暗くくすんだ世界に足を取られて、私の身も心も沈んでしまった。



でも

あなたに逢って、きっと私の世界は輝きを取り戻せた。



笑って、泣いて、たまに拗ねてみたり



「ただいま」とか「おかえり」とか…




きっとそれはどこにでもある日常で

でも、私には幸せな日常。




―見上げる空は、綺麗な青。

あなたの、綺麗な着物の色。


夕闇が迫る空は、あなたの不思議な瞳の藤色。


この空はきっと、広い世界のどこまでも続いていて。



だから、きっと私は歩いていける。




きっと、進んでいける。




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