私があなたを想う理由
深夜3時を過ぎた頃にふと目が覚めた。
隣には私を抱いたあなたが深く眠りについている。
スウスウと静かな寝息が心地いい。
眠るあなたの顔にかかる髪を後ろに流してみると、くすぐったかったのか
「うぅん…。」
っと少し顔を歪めて見せた。
それを見て私が微笑んでいるだなんて、あなたは知る由もない。
「ねぇ、大好きだよ。」
小さく耳元で囁いてみると、一瞬寝息が止まったように感じたけど、きっと気のせいだろう。
懲りることの無い私は再び耳元へと近付く。
「君に出会ってから私すごく楽しいよ。幸せだよ。ありがとう。大好き。」
そう言いながらほっぺに軽く口付けてみる。
ほんのり暖かいあなたの頬に、私の頬まで赤く染ってしまいそう。
眠ったあなたに見られていることはないけれど、やっぱり恥ずかしくて枕に顔を埋めてほんの少しの照れ隠し。
小さくキャーなんて言いながらグリグリと顔を押し付けていた時だった。
「俺も大好きだよ。」
そう聞こえたと同時に私の後頭部にふわりと何かが降りてきた。
ゆっくりと撫でられるこの感覚は、間違いなくあなたの手だろう。
バッと顔を上げてみると、肩肘をつきながらニヤニヤと笑うあなたの顔。
あぁこの顔は最初からだよの無言の圧力。
真っ赤に染っているであろう顔を両手で抑え隠してみるも時すでに遅し。
「もうっ、起きてたのなら教えてよー!」
そこであなたの笑い声が聞こえてきて、恥ずかしいけどでも少し嬉しいような。
指の隙間からあなたを見るとほんの少し意地悪そうに、でも幸せそうに笑ってた。
あぁ私、やっぱりあなたが大好きだ。