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コンコンとノックをして声をかけた。




「研磨君、来たよー」

するとすぐに扉が開いて、研磨君が迎えてくれた。布団が綺麗に並べられた部屋にお邪魔した。





黒「よう、葵ちゃん。」

「お邪魔します、クロ先輩」

敷いてある布団の上で、クロ先輩達は誰かが持って来たであろうUNOをしていた。
どうやら研磨君も一緒にUNOをしていたようだ。




夜「如月さんもUNOやる?」

「いいんですか?じゃあ1ゲームだけ」


カードゲームは嫌いじゃないので有難く参加させてもらう。先輩達の輪に入って、研磨君の隣に座り、配られたカードを手に取った。







「♪」

黒「あ、参加した以上、負けたら葵ちゃんも罰ゲームだからな?」

「え、罰ゲーム付きでやってたんですか?早く言って下さいよ」

黒「言ったらやらないでしょキミ」

「勿論です。でも参加しちゃいましたし、いいですよ受けて立ちます罰ゲームに。とりあえず負けなきゃいいんです」


カードゲームはこれでも得意な方だ。
罰ゲームか何か知らないけど負けなければ問題ない。




黒「強気だねぇ」

「ちなみにどんな罰ゲームなんですか?」

海「さっきは山本が負けて女子に告白しに行った」

「あ、だから山本君居ないんだ」

夜「なかなか帰って来ないなー、アイツ」

孤「クロ、山本には酷な罰ゲームだと思うけど」

黒「すまん俺もそう思う、多分アイツの事だから泣きながら帰ってくるかな」

「クロ先輩、負けたら罰ゲームで告白しに行くんですか?」



手持ちのカードを出しながら、
クロ先輩に聞いてみた。




黒「うーん、今は葵ちゃんが参加してるからそれ以外で決めるかな」

夜「簡単なヤツにしろよー」

「何でもいいですよ、負けませんから」

黒「じゃあ負けた奴はちゅーな」


黒尾はニヤリと笑って言った。




海「またか」

夜「その罰ゲームさっきもやって福と俺がちゅーする事になったんだぞ」

「(え、ちゅーしたんだ)」

夜「あ、ちなみにほっぺにな」

「ですよね(びっくりした)」

黒「面白かったからいいじゃねーか、はい次夜っくんカード出して」

孤「葵、いいの罰ゲーム?」

「いいよ、早く終わらせてクエスト行こう」


カードを出して行き、残り3枚になった。
なんとか負けは免れるかな……と思っていると隣のクロ先輩がニヤニヤしていた。



「葵ちゃん、忘れてないか?」

「何がですか?クロ先輩」

「音駒最強のゲーマーの存在を、な」

「ね、音駒最強…!」

「その名も……孤爪研磨!

「おお!」

「……それ初めて聞いたけど、もう上がったから俺先にクエストしてていい?」

「え、もう上がったの?」


隣を見ると、研磨君の手持ちのカードは既に無くなっていた。まさかこんなにも強いなんて……流石音駒最強のゲーマー!憧れる!






夜「研磨強いなー、あ、俺も上がった」

「え」

海「すまん、俺も」

「え」

残るは、福永君とクロ先輩。





黒「いやぁ楽しみだなー、葵ちゃんからのちゅー」

「まだ負けてません!」

福「……あ、上がれた」


ボソっと福永君が言ったので、降り向くと福永君の手持ちカードは無く、私とクロ先輩の一騎打ちになっていた。



私、こんなにカードゲーム弱かったかな。




黒「ごめんなぁ、葵ちゃん。葵ちゃんのファーストキスは俺が奪うかもー」

「楽しそうに言わないで下さいクロ先輩。ていうかなんで私がファーストキスがまだだって知ってるんですか」

黒「え、まじで?まだなの?」

「(あ、しまった)」

夜「意外だな」

「あ、私次のターンで上がりです」


私の手持ちカードは残り1枚
クロ先輩は2枚

このまま行けば罰ゲームは逃れそうだ。





黒「甘いな葵ちゃん」

「そ、そのカードは!」

クロ先輩が出したカードは「Skip」
(出した人の次の人がスキップ(1回休み)される。残り人数が2人、または2人対戦の時は出した人が続けてカードを捨てることができる。)



「悪いな、葵ちゃんのターンは来ない」

「そんな……!」

「というわけで俺の番、はい上がりー」

「!」



罰ゲームが確定しました。





「葵ちゃん罰ゲームね。あ、やめとく?」

「ぐっ……勝負を引き受けた以上、リスクを背負いながらやってます。それが勝負です」

「なにそれかっこいい」

「夜久先輩、罰ゲーム何でしたっけ?」

「ちゅーだけど、さっきは隣の奴にしてた。でも無理して罰ゲームやんなくてもいいぞ?」

「ふ、罰ゲームに怯えてちゃゲームは楽しめませんよ」




さようならファーストキス。




「さぁ葵ちゃん!俺はここにいるぞ。」


黒尾が腕を広げると、「ちゅっ」と音がした。





「え?」

黒尾は目の前の光景を見て、驚いた。






「……え」

「こ、これでいいですよね!隣にいるのはクロ先輩だけじゃないですし!」

「葵ちゃんが……」

「如月さんが……」



「研磨のほっぺにちゅーした!?」



「……。」

「ご、ごめん研磨君!」

「いや、……大丈夫」

「ごめん、ごめんね」

顔を赤くした葵は持っていたミニタオルで唇が触れた研磨の頬を拭いていた。




黒「葵ちゃん、そんなに俺にキスするの嫌だった?」

「え?、いや、その……」

黒「でもまぁ、面白いの見れたからいいや」

「はい?」

黒「じゃあ次は口にちゅーしてみようか、おい研磨逃げんな!」

「……む、無理」

「ちょっとクロ先輩!研磨君が嫌がってますし、私もそろそろ恥ずかしさで死にそうなんでこの辺で勘弁して下さい!」

「「「土下座した!?」」」








山(ういーっす、俺やっぱり無理だわ)
夜(おーおかえり、山本)
山(何かあったのか?何で如月が土下座?)
黒(葵ちゃんが研磨にちゅーをしたから)
山(はぁああああ!?研磨てめぇ!)
孤(え、俺?)


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