1歩ずつ | ナノ


▽ 3話


「やっべー朝練遅刻…!」

いつもなら遅刻なんてしない。
けど昨日は、今日の1時間目に英単語の小テストがあることを思い出して取り敢えず一通りくらいは目を通しておこうと机に向かったのはいいものの、思った以上に範囲が広くて夜ふかしをしたのが原因だ。
でもはっきり言ってもうほとんど頭から抜けてるから、こうなるなら寝たほうがよかったかもしれないなんて後悔している。

しかもあれだよな、朝練に遅れたしきっと体育館に着いた途端に外周させられるパターンだ。

「…あれ?」

勘弁してくれよと急いで体育館へ向かう途中、女子生徒が保健室に行くのが見えた。
俺が朝練を遅刻したからと言っても今は普通の生徒の登校時間にはまだまだ早い。
練習着じゃなくて制服だったから他の部活の朝練とも考えにくいし…って!ヤバイ宮地さんに怒られる!

「すんません!寝坊しました!」
「高尾ー取りあえず5周」
「げぇ、やっぱり…」
「いいから早く行け轢くぞ」
「行きます行きます!」

――――
―――

「やってしまったのだよ…」

朝練を終えると直ぐに始まった1時間目。
手応えなんてあるはずもなく、終わったあと机に突っ伏し、ボソっと呟いた声は後ろの緑間にも届いていたみたいで真似をするなと言われた。

「人事を尽くしていないお前が悪いのだよ。大体1週間前から言われていただろう」
「いやー、すっかり忘れてたんだって」

その口ぶりだったらヨユーでできたんだろうな緑間は。なんて言ったら、当然なのだよ。と返ってきた。
わかってたけどね!上からの圧力やめて!

んあ、そーいえば

「今日の朝って何か委員会とかあったっけ?」
「そんな連絡は聞いてないがそれがどうかしたか?」
「んーなんとなく」


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