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人間、諦めが肝心(2/2)





「銃の扱いには慣れているようだな」



ピシッと一瞬空気が、いや、私が固まってしまった。



「・・・はぁ?」



銃!?なんでその言葉が今出てくんの!?


予想外な言葉に内心ダラダラ冷や汗を流すも表情はできるだけ崩さぬように返した。




「一瞬の間があったな」


ニヤリと笑う赤井秀一に、ヒクッと頬が引きつりそうになる。



「予想外に突拍子もない言葉が出てきたからよ」



これは本当。



惚けたり嘘を吐く際には大切な事。


本心を織り交ぜながら、ポーカーフェイスを崩さなければ見破られることはそうそうない。



「ホォー?まだ惚ける気か?」



「惚けるもなにも、あなたの質問は意味が分からないから答えようがない」



「・・・・セーフティを知っていたな?」



「は?」


セーフティ?その言葉に思い出すのはバスジャックの時、外人さんが犯人に足を掛け転ばせた後、手を握ったと同時に銃に仕掛けた光景だ。



確かに知ってはいるが、なんの事か分からないと言う表情で返せば、男は少し驚いた様に目を見開く。



「なんだ、無意識か?まぁ、その方が信憑性が沸くな」



は?無意識?信憑性が沸く?なんのこっちゃ。



「?さっきから意味の分からないことを・・・」



本気で分からん。



「呟いてたぞ?ジョディが犯人の銃にセーフティを掛けた瞬間に、お前さんがな」



「へ?」


は?嘘・・・マジですか?いやいや、きっとカマ掛けて・・・・・



「無意識に呟いてたとすればそれは演技ではなく本心、お前さんが銃の扱いを知っていると断定できる」



ニヤニヤと、さぁ次はどう逃げる?と楽しそうにしている赤井秀一。




カマじゃなかった!!そう思うがまだ大丈夫だと必死に平常心を装う。



「セーフティ位、銃の知識がなくても分かる人位いるんじゃない?」



現に私がそうだしと無表情で返せば、彼はフッと笑った。



「まだ逃げるか?」


そう言ってからはまたしても私にとって爆弾を落としてくれた。



「どうせ興味を持たれたのがあの少女の救出でだろうと思い、ただの一般人のつまらない女だと認識させるため惚けているつもりだろうが・・・」



・・・・おいおいおい、厄介なのはボウヤじゃなくてこっちだったのかよ;



よくよく考えれば、年上の以上、工藤新一より厄介なんじゃ・・・と考えに至らなかった自分自身にバカぁ!と暴言を吐く。



「(うわぁ・・・ドンピシャ言い当てられた・・・)」


引き攣る頬を必死に抑えようとしたが次の言葉でそれは無駄なことに終わった。



「俺は最初からお前の行動に違和感を感じていた。救出の出来事もセーフティと呟いたこともただのおまけにすぎん」



ヒクッと完全に頬が引きつった。


「ど・・どうして?」



私の変化に彼は更に笑みを深め私を言葉で追いつめ、逃げ場を無くさせていった。


それはそれは楽しそうに。


このどSがっ・・・・



「最初と言うのは言いすぎかな?お前さんは寝ていたにも関わらず、銃を持っていた犯人に殴られ、怯えるどころか睨みつけていた」



その言葉にハァーっと額に手を当て溜息を吐いた。



そうか、そこからそもそも間違いだった。


一般人の女が寝起きに意味も分からず、銃を持った相手に怯えもせず、反抗したあの態度事態間違いだったのだ。






人間、諦めが肝心
(なんだ?もう逃げないのか?)
(あんた・・・性質悪い)
(まだ逃げるのなら決定的証拠を突きつけるつもりだったんだがな?)
(決定的証拠?)
(先ほど、お前さんがお風呂に入ってる時にこれを見つけてな)
(!!ライフル!?・・・・本気で性質悪い!ってか女の部屋漁るとか最低!)



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