Where Hellows Fear To Tread


「…す…すご―――い!!あの店の地下にこんなでっかい空間があるなんて!かっこいい!秘密基地みたい!!」

「…す…素晴らしいリアクション…!この鉄裁、いたく感激いたしました…!」

「えへへ――♪どうもどうも!」




井上って初対面の人と仲よくなるの上手いなあ。
こいつら(チャドと石田)とは大違いだ。

―――……こいつら尸魂界でうまくやれるのかなあ。

そう思いチャドたちを見ていればパンパンと手を叩く音がした。
振りかえれば浦原さんがいてパチンと指を鳴らす。
なんだ?と思っていれば巨大な四角い棒が四つ出て門を作り始めた。
…何だ、あれ…。


っつーか、奏司たち何処行った?
さっきから見当たんねえな…。




「これが、尸魂界へ続く門、穿界門。よ――く聞いといてくださいね。これから教えるのはこの門を死なずに通り抜ける方法っス」




―――え゛、〈死なず〉に?

あ、やっぱ尸魂界って死後の世界だから……そうなんのかな?
ってことは井上達は行けんのか?
でも、誘ったって事は行けるって事だよな。
だけど、人は行けない。

どうするつもりだ?

そう思っていれコツと頭を突かれた。
もう慣れたけどよ、予告なしはねーだろ。
そんな中井上達は人の体を勝手に触ったり人を金太郎飴みたいに言ってみたり…コンは騒ぐし、チャドはコンを気に入ったみてえだし……ハァ…。
まあ、コンはいいとして今は門の話だ。




「喜助、遅くなった。蜂陳の着替えに手間取ってよ。
…だからいっつも普通のにしろって言ってるだろ」

「でも、こっちの方が楽なんですよ」

「あ、蜂陳ちゃ………あれ?!蜂陳ちゃんは?」

「どうもすいません、私が蜂陳です」

「「「………えええええ!!??」」」




俺は知ってたけどな。

井上達は衝撃の事実に記憶の中の蜂陳と今の蜂陳を別人だと思い込む事にしたらしい。
まあ……殆ど別人(っつーか男)だもんな。
仕方ねえよ。
俺も事実を知らなかったらそうしただろうしな。




「この門どうなってるんですか?喜助」

「今から説明するところっスよ。
この門は通常の穿界門の上から霊子変換器を重ね、それを結合符で覆って固定してあります」

「霊子変換器?」

「知っての通り尸魂界は魂魄の世界…そこへ立ち入るには魂魄の姿でないと不可能なんですよ。魂魄の姿で移動できるのは死神の私とそこのお2人だけです。織姫さんたちはは体から魂魄を抜いても因果の鎖がついていて尸魂界に行くどころか移動も満足に出来ません」

「そこで霊子変換器!こいつは現世のあらゆる物を構成している〈器子〉と呼ばれる物質を魂魄の主構成物質である〈霊子〉に変換する事が出来るんス!」

「………つまり魂魄を抜かなくてもこの門を潜れば…」

「そう!そのままの姿で魂魄として尸魂界へ入る事が出来るんス!」




よ――し!分かった!
そんじゃ早速乗り込む――「――ゼヘッ!!」
浦原さんの杖で脇腹を突かれた。


―――い、ってぇ…!!




「問題は〈時間〉なんス。我々がを開いて穿界門を開いて尸魂界へと繋いでいられる時間は…もって4分!」




―――…4分…!?そんなの短すぎるじゃねえか…!


しかも失敗すれば現世と尸魂界の狭間である〈断界〉ってとこに永久に閉じ込められるって…。
外敵の侵入を防ぐ〈拘流〉って奴も危ねえんだろ?
時間もねえ、〈拘流〉って奴もある。




「…ど…どうすれば…」

「前に進むのじゃよ……」

「…夜一さん…!」

「言ったじゃろう。心と魂は繋がっておる。大切なのは心の在り様。前に進もうとする意思じゃ。案内役は儂と奏司、蜂陳が務める。
迷わず、恐れず、立ち止まらず、振り返らず……遺してゆくものたちに思いを馳せず、ただ前に進むのみ……それができる奴だけついて来い」

「……何寝ぼけたこと言ってんだよ。ここに集まった時点で、全員心は決まってんだよ」

「わかっておるのじゃな小僧。…負ければ2度と此処へは戻れぬぞ」

「勝ちゃいいだけの話だろ!」

「…その通り!」




待ってろよ、ルキア…!
今行くからな…!




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