「7日後の午前一時!窓を開けて待っておいてくださいね!」嫌な予感しかしないが開けなかったら開けなかったで嫌な予感しかしない。
どちらも嫌な予感しかしないので俺は蜂陳を連れて浦原商店に向かう途中だった。
その途中チャドと会ったはいいが、ドチャンッ!!、嫌な予感はやっぱり当たるものだ。
部屋にいなくてよかったと思う。
これからすぐに(浦原)商店前に集合―――ダイイングメッセージか!!!
イラッと来た俺はそう突っ込んでいた。
だが、目の前の液体はドロドロと流れ続ける。
「ム…、あれは」
「ん?」
…P.S…??
P.S. 今、これを見て「ダイニングメッセージみたい」とかありきたりな事を思った人は、ツッコミの才能がないです「人を馬鹿にすんのもいい加減にしやがれッ!」
あいつ会ったら殴ってやる!!
蜂陳は殺る気まんまんだから一応抑えるが俺は殴るぞ!
苛々は給っているが仕方ないので店の前に何故か置いてあった箱に座る。
そして暫く待っていれば一護と井上がやってきた。
「…オス」
「…は…早いね、茶渡くん…勾宮くん…」
2人とも息を切らしているところから見て走って来たのだろう。
ご苦労なことだ。
「眠れなくて…散歩してたらたまたまこの近くで奏司たちと召集を受けたんだ」
「俺らも嫌な予感がして出てきたら…アレだ」
指を指せば道路に、どろーん、と広がるメッセージがある。
とんだ迷惑――!!、と言わんばかりの顔をしている一護に同意したい。
あれどうすんだよ。
俺に流せとか言わないよな?自分で掃除するよな?
「…そういや石田は?あいつも来るってきいてたんだけど…」
「石田くんならきっと、もう少し…」
「……あいつなら、来ない」
「茶渡くん!」
井上が静止の意味を込めてチャドの名前を呼ぶ。
まあ……石田が来るって言うのは喜助が言ったことだろう。
本人に会ったかもしれない井上たちには、行かない、と言ったかもしれないしな。
「良いんだ井上……石田は、あいつは来ない方がいいのかもしれない」
あいつは俺たちの中で1番複雑だ、
そして複雑なものほど得てして脆く出来ている、
石田は多分俺たちの中で一番脆い、
チャドはそう言った。
「来ないというのなら、それでいいのかもしれない……」
「そう…だな。」
それに来たとしても嫌な思いをする可能性だってあるのだから。
「―――…誰が来ないって?」
声がした。
振り向けばそこには、白い装束を身に纏った石田の姿がある。
何だ、来たのか。
にしてもヘンな服だな。
「お――っ、全員揃ってるっスね。結構結、ゴフッ?!」
「結構、なんでしょう?」
「…元気みたいっスね、蜂陳サン」
「ええ、元気も元気です。で?誰のツッコミの才能が無い…と?」
「いやあ…蜂陳サンはツッコミよりぼ…ぐふっ?!」
「誰かボケですか?ボケは貴方でしょう、浦原」
もうやめてやれよ、蜂陳。
「幼馴染なんだろ、」
「ええ。私の大好きな幼馴染の幼馴染だったんで私も経由で仲良くなりました…が、今では正直こいつと関係を持った事を後悔しています。
だって……こいつ、馴れ馴れしいんですよ!」
く…っ!、と崩れ落ちた蜂陳に喜助が手を沿えた。
勿論突っぱねたけどな。
「さてと、そんじゃ中で説明しましょうかね、尸魂界に行く方法。ちゃんと聞いといてくださいよぉ。でないと、尸魂界へ着く前に死ぬことになる」
「うるさいです〈喜助〉。邪魔ですよ」
ドゲシッと今度は見もせず足蹴りにした蜂陳はズカズカと中に入って行った。
横暴っスよー、とその後を追う喜助は何だか少し嬉しそうだったが…あいつ案外ドMなのか?
名前呼ばれて嬉しいのは分かるが……蹴られた事を帳消しに出来るほどか…?
「ま、いいか」
蜂陳も楽しそうだしな。
それなら俺が言う事は何もないだろ、うん。
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