倉庫 | ナノ

書き掛け多数
今後再利用したりしなかったり

跡ジロ
その他


鳳長太郎

うちで飼っている猫は宍戸さんに似ていてすごく照れ屋だ。ぶっきらぼうに甘えてくる仕草が可愛らしくてキラキラの毛ヅヤやその尻尾なんかは髪を切ってしまう前の宍戸さんを彷彿とさせる。男前な性格はそれはもう瓜二つであって、初めてスズメを獲ってきた時は情けないながらも倒れそうになってしまった。そんな貧血ギリギリの俺の前に、食べずにぺいっとスズメを置き去りにした愛猫はもしかしたら俺のために獲ってきてくれたのかも知れない。だからちょっと、わからないけれど俺はその時ありがとうと愛すべき家族にお礼を言ってしまったんだ。



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信仰にも似た恋でした



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まだ、ふとした瞬間に会いたいなって思う間はきっとどうしようもなく好きなんだろう。



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歩き慣れた道で今にも泣き出しそうに私は君に「なにを犠牲にしたってかまわない」と言いました。

歩き慣れた道で今にも崩れ落ちそうに君は私に「お前を犠牲にしたってかまわない」と泣きました。


***
引き止めたい人と、夢を追いかけたい人



ジロ忍

ピンポーンという軽快な呼び出し音が嫌いだった。
俺の家のインターホンを鳴らすのは大抵新聞の勧誘やら訪問販売のセールスマンぐらいだからだ。綺麗なお姉ちゃんならまだしも汚いおっさんとかほとほと萎える。
いませんよー、俺はリア充なのでいつもいつも外に出ています。なのでうざったい勧誘は早く諦めてとっとと隣へ方向転換してください。とか心のなかで邪険に思って、当然のようにシカトしてたらもう一回ピンポーンとインターホンが鳴った。
だからおらんねん。パソコン開いてエロサイトまわってる俺は今留守にしています。残念でしたね他を当たってくださいほなさようなら。
しかしインターホンは鳴り止まなかった。むしろ俺が居留守という事を見通しているかのようにピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンと連打してくる。あかん、うざい、非常識や。あー、もうめんどいわぁ。と思いながらも重い腰を上げて、俺はいまだにうるさい玄関へと足を運んだ。こんな非常識なのは大体察しがついてしまう。鍵を開ければほら、家出をするたび俺のところへ上がり込む困ったちゃんの登場や。

「……って、なんでお前やねん」
「よっ、忍足」
「よっ、やあらへんよ。なんでお前やねん。俺岳人やと思ったからわざわざ開けたんやで」
「下のコンビニで飯買ってきたんだけどさー、俺ローソン派だからろくなのなかったし。知ってる?ローソンのロールケーキまじまじ美味いよ」
「ファミマ馬鹿にしたら蹴るでホンマ。ファミチキとエクレアめっちゃ美味いやろ。ちゅーかなんでお前やねんって聞いてんねんこっちは」
「おっじゃまっしまーす!」
「聞けやこら勝手に入んな天パ」

ドアの前にいたのは少し面倒だけど可愛らしい岳人ではなくだいぶ面倒でテンションの高いアホい金髪だった。ズカズカと俺の話を聞かずに上がり込んだそいつはわざわざ買ってきたというコンビニの袋からおにぎりをひとつ取り出してソファでそれを頬張っている。なに勝手に上がり込んでんねん。なに勝手にソファ占領してんねん。なに勝手に食べかす溢してんねん。俺の代わりになに勝手にエロサイト巡りしてんねん。

「忍足こんなの好きなの?あっは、きんもー」

飛び蹴りくらわすぞこら。


* * *
ジローを邪険に思う忍足と忍足を馬鹿にするジローが好き過ぎる増えろ。




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