第3夜


【第3夜】

―女の子を連れて、小等部校舎へやってきました―

ザドキエル:すっげぇ懐かしいな
ルシファー:ね〜。あ!この落書き、まだあったんだ!!(柱に流れ星の形が、いくつか小さく掘ってある)
ミカエル:落書きって…これ彫ってあるけど…まさか
ルー:小学生の時、私がやった!!(堂々)
ミー:何やってるの!!
ザド:相変わらずかよ…(はぁ…)
女の子:なんだ……それ、お兄ちゃんがやったんだ…(しょんぼり)
カシエル:何かあったの??
女の子:あのね、みんな帰った後、誰にも見られないように、そのお星様にお願い事すると、お願い事が叶うってお話を聞いたの。だから……
ラグエル:また別の噂が…
ゾフィエル:ルシファー、あんたガッカリさせたんだから、どうにかしなさいよ
ルー:え〜。だって、私だって「願い事叶えばいいなぁ〜」って思いながら彫ったんだもん。何願ったか忘れちゃったケド…
ミー:全く……
ゾフィ:仕方ないわね。お嬢ちゃん、はい。これあげる(細長い紙を出して)
女の子:???ゴミ??
ゾフィ:あなたも、なかなかに失礼な子ね。あのね、これで願い事しながら星を折ると、願いが叶うのよ。ラッキースターっていうの
女の子:ほんと!!
ゾフィ:嘘ついてどうすんのよ。折り方も簡単だから、探し物が終わったら教えてあげるわ
女の子:うん!!
ザド:ふ〜ん……
ゾフィ:何よ……
ザド:いや。お前に、おまじないグッズとかすっげー似合わねーって思っただけ(笑)
ゾフィ:持ってちゃ悪い!?
ルー:お〜い、二人とも〜、廊下でイチャついてないで教室入りなよ〜
ゾフィ:別にイチャついてないわよっ!!何よルシファーまでっ!!
ザド:何怒ってんだよ…ちょっとからかっただけだろ??
ゾフィ:怒ってないわよっ!!
カシ:(周りの男子、鈍感が多いケド、何故かしら…)

―で……―

ラグ:夜に見ると、益々不気味ですね
ゾフィ:で??これにはどんな曰くがくっついてる訳??
ザド:あ〜……まぁ…それはさ(女の子をチラッと見て)
ミー:あぁ…そうですね。(何かを察して)まずは、その子の忘れ物を取りましょう??ね??
カシ:それもそうね
女の子:ありがとう。えっと……あれ…無い……
ゾフィ:無いの??
女の子:うん…水玉模様のハサミ…。お母さんに貰ったの…大事なの(泣きそう)
ルー:……。ねぇ、掃除用具入れの棚の上に乗ってるの何だろ
ラグ:掃除用具……あ、本当だ。何かある
ルー:ラグエル取って〜
ラグ:えっ!!何で僕が!?
ルー:対して目立った発言してないから
ラグ:何ですその理由!!自分が見つけたなら自分で取って下さいよ!!
ルー:やだ面倒い…
ミー:ラグエルの意見は尤もだよ??ルシファー
ルー:だって、あのシミの真下なんだもん。何かあったら嫌だし。それに私、理科室の鍵開けて閉めたもん
ミー:もぅ……本当に仕方ないんだから……。私が取りますよ
ルー:えっ!!ミカエルが取るなら私が取る!!
ザド:何だよそれ……
ルー:弟に危ない事させるお兄ちゃんがどこにいるのっ!!
ザド:過保護か!ブラコンかっ!!
ルー:ミカエルが大事なダケだもん!!
ミー:はぁ……。(もう我関せず状態で、棚の上の物を取った)取れましたよ??って…ハサミ??
女の子:あ〜!!それ!!私の〜!!
ミー:そうでしたか。はい。どうぞ
女の子:有り難う(にっこり)
ザド:マジか。良かったな〜
ゾフィ:随分お洒落なハサミね。刃の部分が水玉模様なんて
女の子:えへへっ。私、水玉模様大好きなの。このワンピースも、水玉模様なのよ!(ちょっと自慢げに)
カシ:でも……どうしてあんな所にハサミなんて…
女の子:多分…悪い男の子たち。何時も誰かのを隠したり投げたりするの
カシ:所謂悪ガキってやつね
ゾフィ:っとに…いつになっても、一定数はいるんだから
ザド:だからって俺見て言うな。俺見て。悪ガキの点で言ったらルシファーもだろ??
ルー:むぅ…。私だって悪ガキじゃないもん
ミー:学校サボる、家に帰らない、挙げ句の果てに小学生の頃、柱に落書きを彫っているなら、十分それに値するよ(はぁ…)
ゾフィ:さて。約束だし、ラッキースターの折り方、教えたげる(女の子に)
女の子:うん!!
ゾフィ:って訳だから、あんた達は、曰くの話するなり先行くなりしちゃってて(女の子の机まで離れた)
ミー:ゾフィエルに感謝ですね
ザド:俺的にはお前にも感謝だわ
ルー:……。小さい子を余計に怖がらせるダケだから??
ザド:あぁ。しかもこれから帰って寝るんだぜ??ないわー
カシ:分かるかも…。怖くて1人じゃ眠れないわよね
ラグ:しかも、探し物がハサミってあたりが、偶然過ぎて余計に怖がらせちゃいますね
ザド:だな。そこは凄い偶然だし
ルー:で、曰くって、図工の時に教室でふざけていた男子数人が、女の子のハサミをからかって取って、「返して〜」って言った女の子の喉に誤って刺さっちゃったって話??
ザド:俺が聞いたのは、悪ガキ数人が、ハサミを投げて的当てゲームをしてた時に、手元が狂って女の子の喉に刺さって〜って話だったぞ??んで、その後、その悪ガキへの恨みと「私を忘れないで〜」って感じで、あのシミが出来たって
ラグ:でも…小等部繋がりで考えると、ルシファーが言ったやつだと、流れができますよね。確か、トイレの花子さんの話もハンカチかハサミだったし…
カシ:そうね
ミー:いずれにせよ、シミの噂は、『ハサミは遊び物じゃない、誤った使い方をすると、人の命を奪う凶器になりますよ。』という教訓じみた話ですね
ザド:だなぁ〜
ルー:でも…う〜ん……
ミー:どうしたの??
ルー:ミカエル、あのシミ、ハサミに見える??
ミー:えっ??
ルー:私には、クワーって口開けた鳥にも見えたんだよね。寧ろ、こっちに願い事したら何か叶えてくれそう
カシ:そう言われたら…見えるわね
ルー:小等部だけでも、『願いを叶える鳥のシミ』にしてあげればいいのに。怖くはなくなるけど…。今度、セスかガープに言ってみようかな
ザド:まぁ…チビ達には、そっちの方がいいかもなぁ〜

ゾフィ:ごめん。終わったわよ。と…この子、正門近くまで送ってくるわ
ミー:私が行きましょうか??
女の子:1人で大丈夫!!お父さんも近くで待ってるし。お兄ちゃん、お姉ちゃん、有り難う!!お星様も大事にするね!!(にっこり笑ってから走り去った)
ゾフィ:元気な子ね
ミー:しかし…いくら忘れ物をしたからと言って、あんな小さな子まで夜の学校に忍び込むなんて……将来が心配です。ルシファーみたいにならなければ良いけど……
ルー:むぅ…。テストで上位なら問題ないじゃん…
ミー:はぁ…
カシ:まぁまぁ…。早い所、次に行きましょう??
ゾフィ:次は…音楽室??
ザド:だな。行くか
ラグ:………。
ルー:ラグエル〜行くよ〜
ラグ:あ、はい(それにしても…あのハサミのシミも、天井の模様の所為で水玉に見えたけど……。女の子の話といい……)
ルー:ラ〜グ〜エ〜ル〜!!置いてくよ〜っ
ラグ:あ、ま、待って下さい〜

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