マッチ売りの少年 | ナノ
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 5

いつもはベッドで半身を休めながら待っている彼なのに。
今夜は開いたドアのすぐ近くに立っていたから、いつもより緊張していた僕も驚いて飛び退く。

「わあ……っ!」
「……吹雪…」

豪炎寺くんは僕の手からいつもの荷物を取り上げて脇のチェストの上に置き、向き直って僕をぎゅうっと抱きしめる。

「っ……ちょっと待っ……」

思い詰めた彼の顔が近づき鼓動が飛び出しそうに跳ねた。

「ねぇ、ごうえ……チュ……」

唇が……彼の熱い唇で塞がれて戸惑う。
キスは禁止のはずなのに。

「チュ……ッ…………はぁ……っだめ……」

僕は身を切る思いで彼の接吻を振り払い、切なさに苛まれた黒い双眸を見上げて「落ちついて」と宥めた。

そして、ゆっくりと全裸になりその場に跪いて………
彼のガウンの隙間から逞しい下半身に顔を埋める。


「チュプ……っふ…………ぅ」

豪炎寺くんのソレはもう凄く興奮していて、咥えた時の先端はもう滴る程の欲望に濡れていた。

こんなにも僕を欲しがってくれてるのかな?
そう思うと僕もときめきに似た震えが止まらず、目眩しそうになりながらも必死で舌を這わせた。

少し刺激するだけでも……今にも放出しそうな熱が口内でドクンと脈打つ。
君がどれだけ感情表現をコントロールしたって、体は残酷なくらい如実な欲求を僕に向けている……その反応を僕は戸惑いながらも受けとり、幸せな心の痛みにそっとすりかえる。


「っ………もういい」

今にも爆ぜそうなソレをずるっと僕のロから引き抜き、豪炎寺くんは少し乱暴に僕の手を引いてベッドにつれていく。


「ここに手をつけ」

言う通りに手をつくと、慣らした僕の後蕾に熱い君の先端が触れて、チュク…とキスみたいな音をたてた。

「挿れるぞ」

彼のが僕の内側を拓きながら入ってくる。その圧迫に思わず身を竦めるけれど、一生懸命慣らしたからか、僕の入口はきちきちになりながらもそれを全て呑み込んでいく。

「…っはぁ……ぁあっ……」

“嬌声は禁止"なのに。

「動くぞ」

彼の腰が前後に揺らされる。
そのたびに熱の塊が僕の中を行き来しながら、甘酸っぱい未知の快楽と疼きを呼び覚ます。
喘ぎ声が唇から漏れ、僕の先端に熱が張りつめてつらい。

「痛いか……すぐ済ますから…」
「っ………違っ………きもち…い……」

僕に苦痛しか与えてないと思ってる豪炎寺くんは、性急に、でも控えめに僕の中で律動を繰り返す。

「くっ……ぅ……っ……んぅ……」
僕はカバーごと掛け布団を握りしめて引き寄せて、声を漏らさないようにそれを噛みしめる。

苦痛とうらはらの恍惚。

「ふぶき……声…出せ……」

「………っ……はぁ………」

肩先に吸いつく唇が温かくて気持ちいい。
「……だ……めっ………ぁうっ……」
嬌声を煽るように肩先から這う舌が、うなじや背筋を舌で撫で、僕は蕩けるようにベッドに崩れる。彼と繋がる腰だけ支えられ、結合部に集中して快楽を送り込まれ続けるのが堪らない。

「ぁあ…ゃ……めて………」
「辛いか?」
「ちが……っ」
逃げるように捩った身体をそのまま向かい合わせに抱き直されて、僕の脚の間で豪炎寺くんが夢中で腰を振り熱い肌を打ちつける。

彼の昂りで擦れる内側はもう蕩けすぎていて、誰の熱なのか快楽なのか苦痛なのかもわからないまま、僕を追い詰める。

「くっ……」
「ぁん………はぁ…………あうっ……」

二人の下腹の間で僕の飛沫が散ったことすら意識出来ずに、結ばれたところをきゅうきゅう締めつけながら、彼の動きに合わせて揺れている。

「ふぶき……?」

「うぅ……」

奥を突かれるたびビクンと痙攣が走り躰がこわばるのを彼は気にしているようだ。

「…………痛いのか?」

「ぁあ…っ………ダメ……」

引き抜こうとする腰に、僕は両足を絡めて抵抗する。

進退ともにままならず、思わず動きを止める豪炎寺くんに、僕は掠れた声で懇願する。

「……つづけて……」

「無理をするな」

「む…り……じゃない…」

身体が感じすぎて、何がなんだかわからなくなっている。
でも、欲望を突き立てたまま僕の身体を気づかい、立ち往生している君が愛しくて堪らない。

「君に……めちゃくちゃに……してほしい……」

「くっ……」

「いっぱい……つい……て……」

君の……全部出して。
僕は豪炎寺くんにしがみついて、耳元で溢した。



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