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2

「いじめられてないし、痛いことをされてたわけじゃないよ。あれはね、哲平。愛してもらってたの。」
「…愛?」


雅史が、いまだ哲平に手を出さずにいることを知っている良平はどう説明するべきか迷った。雅史が少しずつ慣らそうとしていた行為を自分の失態で哲平に見られてしまったことに後悔する。ごまかせばいいのかもしれない。でも、純な哲平の事だから、下手なうそをつけば誰かに聞いてしまうかもしれない。
それよりは、きちんと自分たちが行っていた行為を隠さずに言う方がいいのかもしれない。


良平は、自分と雅隆がしていた行為を、愛し合う恋人同士がする行為だと教えた。聞き終えた哲平は、初めの困惑した顔から話を聞くにつれ納得した顔になっていったが、最後になると顔を青くしかたかたと震えた。


「りょ、良平。どうしよう。ぼく、ぼく、王子様とそんなことちっともしてない。王子様、しようとしたことない。王子様、僕のこと嫌いなの?こ、恋人同士じゃないの…?」


どうしようどうしようと泣きそうにあわてる哲平に、良平は優しくその背中をなでた。

「違うよ、哲平。そういうことをする時期ってのは人それぞれで、今あいつは哲平に無理してほしくないだけだと…」
「わかった!」

良平の言葉を遮り、突然哲平ががばっとベッドの上に立ち上がった。

「王子様、きっとやり方を知らないんだ!それで、どうしていいかわからないんだね!」

先ほどの泣きそうな顔から一転、哲平は何やら決意を固めた顔をしている。いやな予感がする。哲平はぽやんとしているがいざという時の行動力がハンパないのだ。

「こうしちゃいられない!僕、お勉強して、王子様にえっちの仕方を教えてあげる!」
「待て、哲平!」

良平が止めるよりも素早く、哲平はベッドから駆け下りて部屋から飛び出した。
一人残された良平は、我慢できないと寮に忍び込んできて自分に襲いかかってきた、今自分の部屋で気持ちよさそうに眠っているお馬鹿な忠犬である恋人を蹴り飛ばしに行った。

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