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名無し様からリクエスト1200000ヒットキリリク・『お姫様の条件の続き』です。

大変お待たせいたしまして申し訳ございませんでした!ご希望通りの出来になっているかとても心配ですが…(^_^;)


※18禁です。苦手な方はご遠慮ください。

頑張ります!
ではどうぞ♪

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「お、おうじさまのばかあー!」
「まっ、まて!哲平!」


わんわん泣きながら部屋を飛び出した哲平は、やみくもに走りながらおうじさまのうそつき、と思った。


哲平は、今年全寮制の学校に入学した高校一年生。高校生だというのに言動や行動の幼い哲平は、入学式の日に迷子になってそこで王子様と運命の出会いをした。王子様の名は白鳥雅史。この学校の二年生で、生徒会長を務める眉目秀麗、頭脳明晰な絶大な人気を誇る男。誰に対しても物腰柔らかで、まさに理想の王子様である雅史は哲平を自分のお姫様として愛し、慈しみ、全校生徒公認の仲むつまじいカップルとしてラブラブに過ごしていた。

だが、哲平や学校の生徒たちが知らない秘密がある。

それは、王子様こと白鳥雅史が実は不良で、『シーザー』というチームの総長であるということ。

雅史は、惚れた哲平がまだまだいろはのいの字も知らないお子ちゃまであることから、我慢に我慢に我慢を重ねて哲平の前で優しい王子様を演じてきた。
その間、何も知らない哲平に少しずつ少しずつ、えっちぃことを仕込んでいく。


そうして、熟れた果実が熟した頃にぱくりとおいしく頂くつもりだった。


だが、ここで予想外の事が起きてしまった。哲平には自分から以外絶対に余計な情報を耳に入れることのないように徹底していたのだが、見てしまったらしいのだ。



事の発端は昨日の夜に遡る。哲平は、雅史の部屋から戻ってきて同室者の部屋の前を通ったときに、なんだか苦しそうな声を聞いた。

哲平の同室者である良平は、哲平の幼なじみだ。その良平の部屋から、くぐもった苦しそうな良平の声が聞こえる。

もしかして、熱でも出しているんじゃあ。

哲平は、控えめにノックをした。返事がないので、ますます焦る。その間も止むことのない苦しそうな声に、哲平はそっと扉を開けてみた。

鍵がかかっていなかったので、扉は簡単に開いた。驚かしちゃいけない、と思った哲平は、音を立てないようにゆっくりとのぞきこめるほどの細い隙間を開けた。

そして。


『う…っ、ン、、まさ…っ、や、め…っ、』
『やだやだ、だってずっと我慢してたんだもん!ね、良平、きもちい?きもちいってゆって?』
『ぁ…っ、ば、か…っ!てっぺぃ、、戻って…っ、あ、ん、ぅ…っ!』


哲平は気付かれないように扉をしめ、素早く自分の部屋に戻りベッドに潜り込んだ。
ばくばくと心臓が今までにないくらい激しく脈打つ。

良平、はだかだった。
お兄さんも、はだかだった。

さっき見た光景が頭から離れない。哲平は布団を頭から被って、小さく小さく縮こまって震えた。



「…哲平?」

やがて、ガチャリと部屋の扉が開いて良平が顔を出した。時間はわからないけれど、きっと姿が見えなくて、心配して探そうとして玄関に靴があるのを見て部屋にいるかどうか確認しに来てくれたんだろう。いつものように呼ばれて哲平はびくりと体を竦ませた。

「哲平?帰ってたの?ご飯食べた?」

名前を呼ばれた時に体を跳ねさせてしまったので、起きていることがわかったんだろう。良平が話しながらどんどんと哲平のいるベッドに近づいて来る。


「…りょうへい」
「哲平?」


ぎし、とベッドに腰掛ける良平を、そっと顔だけ布団から出して見ると良平の顔が心配そうに歪んだ。

「どうしたの?大丈夫?しんどい?」

優しく語りかける良平に、先ほどの良平が重なる。

「…おにいさんと、なに、してたの…?」

哲平の言葉に、良平はぴしりと固まった。哲平はむくりと起き上がり、固まる良平の前にずいずいと迫った。


「良平、苦しそうだった。泣いてた。でも、悲しい泣き方じゃなかった。いじめられてたんじゃないの?おにいさんに、痛いことされてたんじゃないの?」


心配、困惑、不安。


色んな色をにじませた哲平の目に、良平は諦めたようにため息をついた。

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