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6

「太一郎、どうだ?誓うか?もう二度と俺から離れねえと誓うか?」
「ひ、あひ、アッヒ、…っ、ひ、ぅ…」

それからどれくらいの時間がたったのかもわからないし自分がどうなっているのかもわからない。何度も何度も前立腺と亀頭への責めは決してイかせてもらえることなく繰り返され、俺は涙と涎でぐしゃぐしゃの顔で舌をだらしなく口からたらし息も絶え絶えに喘いでいた。

そーちょーの顔をぼやけた目で見ると、まだものすごく怒っていて。イかせてもらえない苦しさと、辛さと、悲しさと、今までのそーちょーの態度やなんやかやでもう俺の頭に限界が来てしまって。

「ひ…っく、も…、やら…っ!や、あ…、う、うあ…ああ、…!」
「たいち?」
「う、あああああ!ああああああああ!!」

ぼろぼろ涙をこぼし、わんわんと叫びながら本気泣きを始めた俺にそーちょーが目を大きく見開いて驚く。

「たいちっ、太一郎!」
「やああああ!うわあああ、わああ―――――!!」
「落ち着け、たいち!わかった、イカせてやるから、たいち!」
「やらああああ!さわっ、ざわ゛、ん゛、なぃ゛れ゛ええええ!わあああああん!」

焦って俺のちんこに手を伸ばそうとしたそーちょーの手を避けようと必死に体を捩らせるとそーちょーはますます焦って俺の頬を軽く何回も叩いた。

「たいち、頼む!落ち着け!わかった、今自由にしてやる!だから俺を見ろ!たいち…!」

狂ったように泣き叫ぶ俺にただごとではないと焦りまくったそーちょーが、俺の縛り付けているすべての拘束を解いた。それから、俺を落ち着かせようと引き起こしてぎゅっと抱きしめ、背中をさすってくれた。
溜まっていた思いを吐き出すように泣き続けていた俺は、ようやく感じられたそーちょーの優しさに少しづつ涙も収まっていった。



「太一郎…、大丈夫か…?」

心配そうに俺を覗き込むそーちょーに、こくんと小さく頷くとそーちょーはほっとした顔をして俺のほっぺに軽くキスをしてくれた。

いつものそーちょーだ…。

きゅう、と胸が痛くなってまたじわりと浮かんだ涙を押し付ける様にそーちょーの胸にぐりぐりと顔を埋める。

「…そーちょー…、怖かった…。い、いじわるばっかして、怒ってて、どうしてって思って、おれ、おれ…っ、」
「悪かった」

涙の溢れる目元を、そっと唇を押し当てて頭を撫でてくれる。それだけでさっきまで悲しくてたまらなかった胸がほっこりと熱くなる。

「でも、お前が悪いんだぜ?俺と別れるだなんて…転校するなんて、どういうことなんだ?」
「だって、だって…」
「ん?」

優しく顔を覗き込んでくれるそーちょーに、まだ俺が愛されてるんだって勘違いしてしまう。でも、さっきの言い方だとそーちょーが俺と別れたくないって言ってるみたいに聞こえた。言ってもいいのかな。そーちょー、おれとまだ恋人でいたいって思ってくれてるのかな。

ごくりとつばを飲み込んで、勇気を振り絞って俺は自分の想いを口にした。


そーちょーと帰れなくなって、悲しかったこと。メールも電話もつながらなくて、悲しかったこと。ちっとも目を合わせてくれなくなって、冷たい態度を取られてもう嫌われたんじゃないかって。それから、街中で会って怒られて、その後そーちょーが女の人の肩を抱いていたこと。七時までって言われたのも、その後一緒に帰れなくなったのも、その人と会うためなんだって思ったこと。だから、別れをはっきり告げられる前に自分から身を引こうと思ったこと。

全てを話し終えて、ひっくひっくとしゃくりあげながらちらりとそーちょーを見ると、そーちょーは、そーちょーは…


「…っんの、バッカ野郎が!!」
「ぎゃん!」


ものすごく怒った顔をして、俺の頭にげんこつを落とした。

「いたいよー!いたいよそーちょー!」
「あったりまえだ!痛くしたんだ!」

げんこつを落とした後、そーちょーは俺の事をすごく残念な子を見るような顔で見てはああと大きなため息を一つついた。

「あのな、たいち…俺が一番初めに七時までした一緒にいられねえと言った時の事を覚えてるか?」
「え?う、うん…」

確かあれは、そーちょーのお部屋でゲームをしてる時だったっけ。そーちょーが後ろから抱きついてきて、おれのうなじにちゅっちゅキスをしてきたんだよね。


そんで、その時にこれからちょっと忙しくなるから一緒にいるのが七時までしか無理だって言われて…

「その時に、なんで七時までだって言ったか覚えてるか?」
「ねこのしっぽをつまむから七時までしか無理だって」
「うちのチームを狙ってるやつらがいるらしくてそいつらが不審な動きをしていると連絡が入った。相手のしっぽをつかむまでちょっと忙しくて七時までしかいられねえって言ったんだ!」

大体猫なんて一言も行ってねえだろうが!とがっくりとうなだれるそーちょーに俺はきょときょとと目をさまよわせてしまった。

「んっとに、バカだバカだとは思ってたがこれほどとは…。お前、あの時ペット育成ゲームやってたもんな。大方それと混じったんだろうが」

そうだ。そーちょーのお話を聞きながら俺、ゲームの中のペットを育ててたんだっけ。しっぽって聞いて、そーちょーしっぽをつまむのに忙しいくらい猫好きだったんだって思ったんだよね。

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