感想 


53.陰陽少女
 2011/05/09 - 甘口感想
ジャンル:現代異能バトル
長さ:長編(連載中)

第十五話まで読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
日常に満足していた男子高生・沖田誠。
誠は友人に「陰陽師が封印した災厄が蘇る」と聞き、思うところあって自称陰陽師の祖父の元へ行く。
友人の言葉を信じていなかった誠だが、祖父宅に不思議な少女が現れ……。





少年向け現代異能バトルものです。
普段は少女向けの作品の依頼が多いので、ジャンルがわかった時点でワクワクしました。
作品の内容も、期待を裏切らない熱さと勢いに満ちています。


まず、「やれやれ」という発言が多いことからもわかるように、主人公がとてもライトノベル的です。
あまりライトノベル臭が強いと、好みが分かれる原因になりそうです。
しかし、この作品の主人公は思考も言動も素直なので、読んでいて嫌な感じがしませんでした。

ヒロインの月を始めとした、女性キャラも魅力的です。
月は戦闘能力が高いため、芯も強そうに見えるのですが、実際は精神的に脆い面を抱えています。
このギャップが丁寧に描かれているから、月はかわいらしいのでしょう。

月に対して、彼女の式神である日向はにぎやかです。
そのため、会話にメリハリがあります。
無口な月に代わって、日向がちょくちょく月や物の怪について解説を入れてくれる点も親切でした。

個人的には、主人公の妹の花音が一番好きだったりします。
台詞も行動もツッコミどころが多くて、読んでいて楽しいのです。
この作品を読んでいて、何度かクスッとする場面がありましたが、100%花音が原因です。


ストーリーもおもしろかったです。
日常と非日常のメリハリがきいているからでしょう。
また、各イベントの起承転結がしっかりとしているため、物語全体が引き締まっています。
さらに、展開が早すぎも遅すぎもしないので、とても読みやすかったです。


説明のタイミングもよかったです。
イベントの進行に合わせて、必要な分だけ設定が説明されていったからだと考えられます。
ノリがいいのに、決して読者を置いてきぼりにしていない面も好印象です。


テンポがよくて、わかりやすくて、変に気取ったりもしていない。
そのため、素直に楽しめる作品です。
一話がほどよい長さなので、移動中のお供にちょうどよさそうです。


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