感想 


50.悪魔 -プリースト-
 2011/03/06 - 辛口感想
ジャンル:現代学園TL
長さ:長編(連載中)

DEVIL.Vの12まで読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
ミッションスクールに通う女子高生・楓は、学内で頻繁に目撃されている『死神』を捕まえようと教会に張り込む。
その最中、楓は不良生徒の黒羽に妨害される。
後日、楓は黒羽に「教会に近づくな」と忠告されるが……。


全体的に説明が不足しており、なにが起きているのかわかりづらかったです。
また、展開に脈絡がなく、行き当たりばったりな印象を受けました。
設定はテンプレート的ですが、キャッチーで手軽に読めそうな作風です。





ケータイ小説版「少女コミック」という印象です。
いわゆる「ティーンズラブ」というジャンルの作品でしょうか。

学園モノですが、現実離れしていて、いろんな意味でファンタジーでした。
逆に、むやみやたらにリアルだったら、かえって問題があります。
とりあえず、自衛のためにもR15指定にしたほうがよさそうな内容です。

性的な意味で過激なシーンは多いのですが、あまりエロスは感じませんでした。
エロシーンに限らず、描写が少ないからです。
むしろ、描写よりも説明の少なさのほうが気になりました。
説明不足が原因で、なにが起きているのかわかりずらい箇所が、頻繁に見られたのです。

まず、なんの合図もなく「いきなり」場所や時間軸、視点が変わることに戸惑いました。
また、主人公が「いきなり」今までとは違う行動をとっていたり、なんの脈絡もなく「いきなり」話題が変わっていたりする点にも引っかかりました。

たとえば、DEVIL.1で楓が黒羽と野球拳やあっち向いてほいをするシーンでは、これらのゲームをしようと決めるに至った過程が抜けていました。
そのため、1ページ飛ばして読んでしまったと勘違いしてしまいました。

また、ストーリーの流れにも脈絡がありませんでした。
やはり説明不足で、伏線も張られていないからです。
そのため、各話の謎解きや登場人物の行動について、行き当たりばったりな印象を受けました。


キャラクターは「ドエロで不良な同級生」や「優しくてパーフェクトな先輩」など、とてもわかりやすいです。
しかし、記号的すぎて、あまり魅力的ではありませんでした。

地の文にしろ、台詞にしろ、キャラクターの描写に十分な文字数がさかれていなかった点が、主原因として考えられます。
キャラクターの思考や感情があまり伝わってこなかったせいで、生き生きとした印象に欠けていたのでしょう。


この作品の中核をなしていると考えられるエロシーンも、おもしろみに欠けています。
濡れ場に至るまでの流れが書き込まれていないため、エロシーンに到達してもあまりテンションが上がらないのです。

さらに、エロシーンのシチュエーションが練りこまれていないせいで、いまいちぱっとしません。
シチュエーションにこだわりや個性が感じられないため、「ただ過激なシーンを書きたかっただけなのかなぁ」という印象も受けました。


ミッションスクールが舞台で、悪魔の類が出てきて……という設定も、わりとよくある設定のようです。
ただし、テンプレート的な要素には、変な癖がなくてキャッチーな面もあります。
また、たくさんの読者のニーズを満たしていると考えられます。

全体的に明るい雰囲気で気軽に読めそうな作風なので、ティーンズラブを求めている人に、広く受け入れられそうな作品です。


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