02



ここは学校の屋上。

私の目の前には5人もの女の先輩。多分2年生。みんな知らない人たちばかりで、ものすごく怖い。いわゆるギャルと呼ばれているような人たち。

私は、彼女たちにここに呼び出された。…というよりは、連れて来られた。



原因は、先程名前のあがった二階堂先輩にあった。

二階堂先輩は、高校3年生。私とは何の接点もなければ、関わりもなかった。

だけど、二階堂先輩のことは知っていた。


彼は、学校でとても人気のある王子様軍団のひとりなのだ。この高校に通っている人なら、きっと知らない人はいない。


私は、なぜか、二階堂先輩から告白された。本当に突然。待ち伏せまでされて。


『好きでした。君が入学した頃から』


なんて、素敵な言葉で。


でもそんなの、信じられるはずがない。全然関わりのない人が、こんな目立たない私を好きになるなんて。

きっと、罰ゲームかなにかだろう。

そう思った私は、告白を断った。


もし本気で想ってくれているとしても、もともと人付き合いが苦手な私が、二階堂先輩みたいな王子様と付き合って上手くいく自信がない。

だから。



だけど、どうやら二階堂先輩は本気の本気だったようで。何度も私に告白してくれた。

すごく嬉しかったんだけど。

やっぱり、あまりよく知らない人と付き合う気になんてなれなくて。全てお断りすることにした。


するとその噂がいつの間にか蔓延し、こうして私が二階堂先輩ファンの人たちから攻撃されるようになってしまったのだ。

もう、こんな呼び出しも3回目くらい。

謝れば解放してもらえるから、私はいつもとりあえず謝った。


呼び出しを喰らうと、毎回全身がガクガク震えた。だって怖いんだもん。

こんなバイオレンスな現場とは無関係な人生を歩んできたものだから。




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