01
「かわいいからっていい気になんなや!」
…どうして私がこんな目に遭うの?
誰にも迷惑がかからないように、ひっそり穏やかに暮らしてきたというのに。
「アタシら馬鹿にしてんの?」
「なんか喋ったらどーなんだよ!」
ガン!
目の前で蹴りあげられたごみ箱が派手に音を立てる。
「ごめ、ごめんな、さい…!」
「二度と二階堂先輩に近づくなよ!」
「はい…すみません……っ」
はじめに言っておくが、私は二階堂先輩に近づいた覚えはない。
だけど、近づかれた覚えなら、ある。
でもそんな細かいこと、この人たちには関係ないのだろう。
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