02
不良の先輩と、そんな環境とは無縁の私。
実際に私は先輩のプライベートな部分を全く知らない。
きっとそこには、私の想像を絶する世界が広がっているんだと思う。
だけど、それでも、私は先輩と一緒にいたい。
安藤先輩の存在があるから、私はこの学校に通い続けていられる。毎日平和に過ごせている。恋の尊さを知ることが出来ている。
きっと、私には安藤先輩が必要不可欠なのだ。
先輩は、あまり心配しなくてもいいと言ったにも関わらず、会えば私を心配してくれた。
それが嬉しいのは事実だったから、もうこれ以上は何も言わないで、先輩の好意を受け取ることにした。
そんな日々が1ヵ月くらい続いた。
何もなく平凡な毎日に、たまに安藤竜輝というスパイスが入る。
今まで何もない日々を送って来た私にとっては、そんな毎日がとても刺激的だった。
不良のトップに君臨する人なんて、数ヶ月もすれば飽きてしまうだろう。
今の熱もそのうち冷めてしまうだろう。
そんな風に思っていたけれど、私の熱は冷めるどころか熱くなるばかりで。
考えて、考え抜いた結果
思いきってこの気持ちを、先輩に打ち明けることを決めた。
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