01
俺には子供の頃から敵はいなかった。
でかい体で拳を振り回して、年齢なんて構わず誰でもボコボコにして、倒した奴らは全員自分の舎弟にした。
だから俺に逆らう奴は周りにいなかったし、俺は俺のままで生きていこうと思えていた。
遠藤も平野も、俺の舎弟のうちだ。
瀬戸だけは……違うけど。この話はまたいつか。
でも18年間生きてきて、ようやく苦手なものができてしまった。
それが、女の武器「涙」
俺がどれだけ乱暴に拳を振り回したとしても、この武器には敵わない。
でもここにひとつだけ、条件がある。
俺が敵わないのは
「清香の涙」限定だということ。
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