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俺には子供の頃から敵はいなかった。

でかい体で拳を振り回して、年齢なんて構わず誰でもボコボコにして、倒した奴らは全員自分の舎弟にした。

だから俺に逆らう奴は周りにいなかったし、俺は俺のままで生きていこうと思えていた。



遠藤も平野も、俺の舎弟のうちだ。

瀬戸だけは……違うけど。この話はまたいつか。




でも18年間生きてきて、ようやく苦手なものができてしまった。

それが、女の武器「涙」



俺がどれだけ乱暴に拳を振り回したとしても、この武器には敵わない。

でもここにひとつだけ、条件がある。



俺が敵わないのは

「清香の涙」限定だということ。




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