09




竹下の小さな体は、そこに佇んでいるだけでかわいい。

その視線を見るだけで、俺のことを本当にずっと好きでいてくれたんだとわかると、竹下の存在はより一層愛しいものになった。







「俺とこのままバイバイでもいいの?」




自分で言ったくせに、ものすごく苦しかった。

俺は絶対に、離れたくない。つーか、お願い。離れんなよ。



最後まで自分から好きだと言わず、最後まで素直じゃなかった俺の言動に、竹下は困惑しているようだった。

だけど、俺と離れたくないと泣いてくれて。そんな姿が愛しくて、好きで、好きで。

今までずっと隠してきた感情が溢れ出した。



俺が力いっぱい抱きしめたら、小さい竹下の体が壊れてしまいそうで。

できるだけ優しくその体を包んだら、竹下は予想以上にテンパりだしたからおもしろかった。いや、かわいかった。



3年間ずっと変わらなかった大好きな黒髪も、この小さい体も、ふわふわした声も、笑顔も全部、今日から俺のもんだ。




「俺お前のこと、すげー好き」




俺の胸元でグジグジ泣き始めた竹下を、少しだけ強く抱きしめる。

もう、どうしようもないくらい、こいつのことが好きだ。




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