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記憶をさかのぼってみても、いつからだったか思い出せないから、最初に会った時からってことにしとくけど。

多分、俺は竹下清香が好きだ。



でも癪に障るから、好きだなんて絶対に言わない。絶対に。

なんで俺が「好きです付き合って下さい」って頭下げなきゃいけないんですかー?しかも女に。ありえねー。



竹下は古風な感じの女子で、いつも黒髪のストレートの髪をサラサラなびかせていた。

光に当たるとキラキラ輝くそれは、本当に綺麗で、綺麗なものが好きな俺はその髪にすごく惹かれた。



ついでに言うと、俺はかわいいものも好きで。

特に小動物とか花が好きで。

竹下はうちで飼っているハムスターみたいで、たまに照れて顔を赤くするとうちに咲いているチューリップみたいで、すごくかわいいと思った。



でも言わないよ。

最初に宣言したと思うけど。俺、絶対あいつに好きだなんて言いません。



だって今まで、女に言い寄られたことは腐るほどあっても、女に言い寄ったことは1度もないから。




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