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「だから、しつこいっつってんだろ」




ぴしゃり。

誰もいない廊下に、里垣くんの声が響いた。




「……でも、好きなの」

「俺は好きじゃない。むしろ嫌い」




一度砕け散ったハートを、もう一度そのぺたんぺたんうわばきで踏んづけるように、里垣くんは吐き捨てた。




「今しつこくされて、さらに嫌いになった」




ふん、と笑って里垣くんが踵を返す。


…来る!

私はとっさに、階段の陰に隠れた。






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