01
ラ
ブ
ウ
ィ
ル
ス
「だから、しつこいっつってんだろ」
ぴしゃり。
誰もいない廊下に、里垣くんの声が響いた。
「……でも、好きなの」
「俺は好きじゃない。むしろ嫌い」
一度砕け散ったハートを、もう一度そのぺたんぺたんうわばきで踏んづけるように、里垣くんは吐き捨てた。
「今しつこくされて、さらに嫌いになった」
ふん、と笑って里垣くんが踵を返す。
…来る!
私はとっさに、階段の陰に隠れた。
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