└よん


-銀時Side-

いやだってよ、村の奴らが恐ろしい化け物だって言ってたよ?
山のあちらこちらに化け物の呪いがかけてあるって。俺も実際色々やられたし…。
それに姿を見たものは化け物の頭に角が生えていて…

「ああ角ですか?ありますよ、ほら」

銀時がぶつぶつ言っている横で魅由はサイドの髪を軽く掻き分け自身の頭に生えている角を見せる。

「えっマジで?!うわすげぇ…」

「正真正銘角ですよ。生えてる意味は…特にないんですけどね。もう髪が梳きにくくって」

「…角持ちも色々大変なんだな」

「それと誤解されたままは嫌なので言いますが、私は呪いなんてかけてませんよ」

「え?じゃああの外のは…」

「あれは坂田さんみたいに化け物退治に来た人が仕掛けていった罠です。仕掛けては別に引っ掛かる人もいて、それを化け物がやったと勘違いしてその人も何か罠を作る…その連鎖のせいです」

「あー成る程な」

すごい迷惑です、とこぼす魅由。
見た目は普通の女の子。あっ角は生えているが。
勘違いで発展して化け物呼ばわりで毎日化け物退治と村の奴ら、雇われ人が山に来る。俺なら絶対嫌だ。ならどうする?







「あっ魅由、逆に俺のとこに来るか?」

今度は逆に魅由の驚いた声が数拍空いて山に響いた。


20111028