未知なる敵
「ローが喧嘩で負けただとぉぉぉ!?」
のどかな?昼下がり。ヴァリアー邸内から馬鹿でかい叫び声が響いた。
「あーもう五月蝿いわよスクアーロ!気持ちは分からなくはないけど、もう少し抑えてちょうだい」
突然俺の部屋に入って来たと思えばオカマはローが喧嘩で負けたと言ってくる。実際に見たわけではないが先程任務帰りのローから連絡があったらしい。
「相手はどこのどいつだぁ!俺が三枚に下ろしてやる」
だがローだってヴァリアーだ。
そんじょそこらの奴に負けるほど柔じゃねぇ。
「…新手かぁ?」
とりあえずローが気になる。
ルッスーリアには軽く礼を言い、俺はそろそろ任務から帰ってくるだろうローの部屋に向かう。
「…あっスクアーロじゃん!何々何か用?愛の告白?」
ちょうど部屋には任務帰りで荷物を下に置こうとするローの姿があった。
「ローが負けたって聞いたから心ぱ…あっいや様子を見になぁ゛」
「あぁルッスーリアから聞いたの?うん負けたー」
「手強いのかぁ゛?」
ローを見ると頬や手に絆創膏が数枚貼ってある程度で大きな外傷はない。
「多分誰も勝てないと思う」
「はっこの俺が負けるなんざ有り得ねぇ゛」
「そりゃスクアーロは最強最高アイラブユーだけどさ…」
少しおかしな点があったがスルー。するとローは右の人差し指を下に向けた。
つられて下を見ると…当たり前だが床が見える。
「これが相手」
「…は?」
「いやー任務帰りにディーノに会ってね。途中まで一緒に歩いてたら…」
あぁ、分かった。
「あのヘナチョコ部下無しで歩いてやがったんだな」
「あっよく分かったねー。そしたら足がお互い絡まっちゃって地面とちゅうだよ。…頑張って堪えたんだけど無理で…負けちゃった」
「だがオカマは喧嘩したって言ってたぞぉ」
「私は初めて地球と喧嘩して負けました…!」
「それは喧嘩とは言わねぇ!!」
(けどスクアーロ…)
(あぁ゛?)
(心配してくれて有難う)
(!…おっおう)
20110821
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