月日が経ち高校生になった俺ら。
色んなことがあったけど今はまぁその話しは置いといて。
数学の授業が終わって次の現文までの10分間の休憩中、現在進行形でななしが俺の机の後ろでなにやら頭を抱えてぶつぶつ言っているのが聞こえてくる。
「えっと…ななしどうしたの?」
「ツナ君、君はいつまでもツナマヨのままじゃいけないんだよ」
「えっ俺ツナだけどツナマヨじゃないんですけど!一回も人間離れしてないんですけど!」
暗い雰囲気漂わせていながら口から出てきた言葉は俺の心を軽く引っ掻いた。
「はぁ…まぁ冗談はさておきこれ見てよツナ君」
ななしに渡されたのは先週先生から配られた一枚の紙だった。
「あぁ志望校書くやつかぁ。ななしは決めてないの?」
「決まってないから今締め切りギリギリで焦ってるんじゃない!どうしよう〜」
「夢とかやりたいことは?」
「ない」
「…じゃあ適当に書いといたら?これが最終ってわけじゃないんだし」
今はまだ高一の秋。まだまだ悩む時期なんじゃないのかな。
「そうする。あっツナ君は?めんどいし同じとこ書いとくよ」
「えっ!…おっおれはその…就職かな〜」
「えっ大学行かないの?!」
「うん。家継ぐことになってて(マフィアになるなんて言えないよな)」
「ショックだなー。ツナ君と大学生ライフ、というかずっと一緒に居たかったのに」
「…え?」
「よし、じゃあY大とD大の名前書いて提出しとくね」
「えっななしさん?今さっきなんて?」
「…よし書けた。ツナ君担任のとこまで行ってきまーす!」
「あっちょっななし!まっ待ってよ!おっ俺だって―」
(マフィアとかそういうの全部無しでななしと一緒に居たかった)
20110619
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