21.真実


「ま、そういう事だ」


保健室がシーンと静まりかえっている。


「親が離婚したから苗字は違うけど、俺と蓮は正真正銘の双子だ。声はそっくりだろ?顔だって蓮が眼鏡外せばけっこう似てるんだぜ」

「兄さんで遊んだら承知しねえぞ!!!」

「おいおい元ヤン弟、落ち着けよ」

「え、え!まじで!?りんりんと風紀委員長が双子!!?副会長様は知ってたんですか!!!?」


ユッキーのびっくり仕様もすごい。
2人になった時にめちゃくちゃ責められそうだ。


「いえ、俺も知りませんでした。でもそれなら納得です」


葉月は、俺と蓮が双子だったことに安心したかのように笑った。
ちなみに俺の腕はまだ葉月に掴まれたままデス……。


「体育祭の閉会式は生徒会長不在でしたが、閉めておきました」

「あ!悪い、すっかり忘れてた。問題なく終わったか?」

「はい、書記と会計の2人が協力してくれたので滞りなく終了しました」


事件はあったけど、なんとか終わって良かった。
俺としては葉月の気持ちが気になってしょうがないが……。
でも今はみんないるしなあ、うーーん。


「水無月、あなたの体調も心配ですし、話したいこともあります。今夜は俺の部屋に泊まってくれますか?」

「え、あ、お、おう」


まさかの葉月からの提案に挙動不審になってしまう。


「兄さん!!」


蓮が必死な声がする。


「まあまあまあ、風紀委員長様、今夜は僕の部屋にきませんか??見せたいものがあるんです!!!りんりんの秘蔵写真とか……ふふふ。あ、楓くんもどう?」


ユッキーは怪しい笑みを浮かべながら、蓮といまだ呆然としている楓の腕を引っ張って保健室から出ていった。


「凛、今夜は俺の部屋でね?」




今の俺の血圧は180くらいだと思う。
高血圧で倒れたらどうしよう。



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