22.濡れた瞳


俺の今の心境はどう説明したら良いでしょうか。
もう、心臓がどうにかなってしまいそうで、
でもそれを葉月にはバレたくなくて平静を装って、でも手が震えてしまう。


「お待たせ」


葉月がコーヒーを持ってきて、俺の隣に腰をかけた。
なんで、隣なんだよ。
ソファだから隣に座るしかないのかもしれないけど、やばい、俺今日死ぬかも。


「凛、大丈夫?こっち向いて」


葉月も部屋にきてから敬語じゃないし副会長モードはやめてしまったらしい。
余裕な葉月に対して挙動不審すぎる俺……。


「だ、大丈夫だ」

「そう?」


にっこりと笑って、葉月は俺の手を握ってきた。


「あ、あの、葉月?」


「うん?ごめん、ごめん、赤くなってる凛が可愛くて」


「かわいくなんてない……」


「俺の主観では凄くかわいいよ。告白の返事、もう俺がなんて思ってるか分かってるとは思うけど」


「え、あ」


「好きだよ、凛のこと。凄く」


葉月が俺の事を見つめて言った。
好き、って……。


「本当に?」


「本当だよ、信じられない?」


「なんで、体育祭までまって欲しいって言ったんだ?」


葉月の瞳がキラキラ光っているように見える。
俺は、本当に葉月が好きだ。
見た目も性格も体も全部。


「待たせてごめん、体育祭まではお互い仕事が忙しかったから。もし、俺が告白したら我慢できなくなるのは分かってたんだ」


葉月の顔が近い。


「我慢って……?」


「俺だって男子高校生だよ?好きな人が目の前にいたら我慢できないよ」


「あ」


キスされる、って思った。



「…んっ……」


「好きだよ、凛……。たくさんキスしてもいい?」


「そんなの、良いに決まってる」


「じゃあ、たくさんするね」


ぐいっと葉月に押されて、背中がソファにあたって、葉月がのしかかってくる。


「少し、口あけて?」


言われた通り少し口をあけると、ぐにっと葉月の舌が入ってきた。
口の中をぐにぐにと柔らかいもので犯される。


「……っん、葉月……好きだ」


やばい、もう、俺……。


「凛、ごめん、我慢できなくなってきた」


ぐいっと葉月の腰を押し付けられる。
硬いものが当たった。
それはどう考えても葉月のあれで……


「んんっ!あ、ぁっ……」


そのまま腰を俺にぐいぐい押し付けてくる。


「凛も勃ってる」


葉月の瞳は欲情に濡れたものだった。



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