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 Witch Doctor 藤堂

今日は大学の部活のみんなで、ハロウィンパーティー。




部室の部屋を、ハロウィンらしい装飾で飾り付けよう。そう提案した私だったけど、みんな仮装やお菓子に夢中で飾り付けを手伝ってくれていたのは、平助くんだけだった。




「ごめんね、平助くん。手伝ってもらっちゃって。私がやりたかっただけなのに。」




「いーって、いーって。やっぱりかぼちゃくり抜くのも、ハロウィンの楽しみだよな。」




スプーンと小さなナイフを片手に、平助くんはかぼちゃと格闘している。机には、その残骸が散らばっていた。




「そういえば、この類のかぼちゃって食べれないんでしょ?」




「らしいよな。見た目はうまそーなのに。」




食欲の秋ともいうけれど、時折香るかぼちゃの甘い香りが、嗅覚を刺激する。




「………かぼちゃ、食いてぇな。」




平助くんがぽつりと呟いた。




「煮物くらいなら、作れるよ…?」




あんまり料理はできないけど、焦がさず煮ることくらいはできる。

それに平助くんのためなら、頑張って作ってもいい気がした。




「いやっ!そういう意味じゃ……。」




「あっ、そうだよね。ごめん。」




なんとなく広がった、気まずい沈黙。かぼちゃをくり抜く音だけが、室内に響いた。




「でも……」




手を止めた平助くんが、椅子の背もたれに寄りかかった。




「お前の作るのなら、食いてぇかもな。」




テーブルの上で、かぼちゃだけが微笑んでいた。



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