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 Witch Doctor 沖田

「お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞっ!」




ソファで寝転んでいた総司くんに、突撃アタック。

読んでいた雑誌を閉じた総司くんは、なかなかの視線を送ってきた。

半分くらい蔑みの意味も含まれている。




「君、日本人でしょ。ハロウィンなんて外人の文化なんだから。」




再び雑誌を広げる総司くん。

いいじゃないの、ハロウィンに乗っかるくらい。

でもきっと、総司くんは本気でそう思ってるわけではないと思う。だってすごく、意地悪さんだから。




「お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ!」




めげずに、もう一度。

だけど総司くんはピクリともしない。




「お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ!どうしようかなー?たまには浮気チェックで、携帯でも見ちゃおうかなー?」




そばに置いてあった、総司くんの携帯を取り上げる。まあ浮気チェックなんてする必要もないけど。




「あっ、ちょっと!返してよ!」




総司くんが雑誌を投げ捨てて、大慌てで起き上がった。




「さては隠したいことがあるんでしょー?」




ひらひらと携帯をちらつかせる。

総司くんは頬を膨らませ、こっちを見る。おかしくなって笑っている、と。




ぼすん、すごい音を立ててソファに撃沈した。握り締めていたはずの携帯はなく、目の前には覆いかぶさる総司くん。




「君が、僕にいたずらなんて仕掛けられると思っているの?」




口をぱくぱくさせる私を見て、にんまり口角をあげた。




「お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ?」




残念ながら、今の私はお菓子なんて持っていなかった。



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