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 Coloes of christmas 藤堂

待ちに待った、クリスマス。




底冷えの街に、輝くイルミネーションが暖かな灯りを燈す。

それぞれがそれぞれの大切な人と、その時を過ごしている。




手を繋いでるカップル。

ケーキやチキンを持った家族。

サンタの帽子を被って笑いあってる友達同士。




そんな多くの人々が必ず足を止めるのが、このクリスマスツリーだ。




昔から語り継がれる、願いのクリスマスツリー。

大切な人と願い事をすることでその輝きを一層増すという伝説があるこのツリーは、昔からたくさんの人々を魅了してきた。




ほらここにも、また願い事を掛けようとしている人が…………









人と接するのが苦手で、思っていることがなかなか言えず、いっつも上手く笑えない。




そんな私が、明るく太陽みたいに輝く平助くんに惹かれたのはごく自然なことだった。




付き合って一年が経とうとした時、私たちは最初のクリスマスを迎えた。

したいことは沢山あったけど、案の定言えなくて。それでも私が楽しんでくれるように、平助くんは色んな計画をしてくれた。




私にとって火傷しそうなくらい、大切にしてくれている。




「知ってるか?このツリーって願い事するといいんだぜ?」




「え、し、知らなかった……。」




私に好きな人ができて、好いてくれる人ができるなんて思ってもいなかったから。

こんなクリスマスなんてカップルの行事を気にしたことがなかった。




「お前なら、何をお願いする?」




「わっ、私は……。」




この一年近く、平助くんと一緒にいて分かったこと。

彼にたくさんのことを教えてもらって、たくさん光を与えてくれた。

これまで一人で真っ暗な所で生きてきたから、それは眩しいくらいで。




「俺は、これからもお前にたくさん笑ってもらうこと!」




きっと平助くんのそんな笑顔には、一生叶わないかもしれないけど。




「私も……今度は、平助くんを笑顔に、したい…!」




平助くんに貰った幸せを、同じように与えてあげたい。




それが、私の願い。




「バカだなー。」




平助くんが、私の頬を掴んだ。

そして、いつも与えてくれるあたたかい眼差しで、こう言った。




「お前がそこにいるだけで、笑顔になれるんだよ!」



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