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 Colors of christmas 斎藤

待ちに待った、クリスマス。




底冷えの街に、輝くイルミネーションが暖かな灯りを燈す。

それぞれがそれぞれの大切な人と、その時を過ごしている。




手を繋いでるカップル。

ケーキやチキンを持った家族。

サンタの帽子を被って笑いあってる友達同士。




そんな多くの人々が必ず足を止めるのが、このクリスマスツリーだ。




昔から語り継がれる、願いのクリスマスツリー。

大切な人と願い事をすることでその輝きを一層増すという伝説があるこのツリーは、昔からたくさんの人々を魅了してきた。




ほらここにも、また願い事を掛けようとしている人が…………





「今年一年、お疲れ様でした。」




年の瀬を感じさせる、クリスマス。

この年ははじめ君にとって、試練の年だったかもしれない。




新入社員と呼べるような時期も終わって、仕事においての部下もできた。

上司と板挟みになりながら、確実に仕事としての成果を出さなくてはならない。




「この間も、はじめ君の言っていることが絶対正しいのに。」




「……この世に絶対の正しさなどない。俺は自分の信念を貫こうとしたまでだ。」




はじめ君のすごさは、ここにある。

彼にとって大事なのは、自分の信念を貫こうとするところだ。

だが時として、その信念は受け入れられない時もある。

そのせいで時折はじめ君が、ただの頑固者として扱われることもある。

ここ最近、はじめ君への風当たりは厳しかった。




「でも、私は好きだよ。はじめ君のそういうところ。」




だから、この願いのツリーに託すのは。




「どうか、はじめ君の信念を堂々貫ける世界になりますように。」




いつでも私は応援してるから、好きなだけとことん突き詰めればいい。




「…あんたも、つくづく人のことばかりだな……。」




もっと自分の願い事をすればよいのに、とはじめ君は言った。




「それは、違うよ。はじめ君が真っ直ぐ突き進んでいる姿を見るのが、何よりの幸せなんだ。」




「だから、そういうところが……と言っているのだ。」




はじめ君は、そっと冷たくなった手をとった。

自分の手を重ねて、ぎゅっと握りしめる。




「ならば俺は……」




はじめ君の手が、私の左手をなぞった。

まだ、その薬指に光るものはないけれど。




「あんたへの愛を、誓おう。」




はじめ君の魂が、熱く炎を放っていた。



















「…それって、お願い事?」




「別に、お願い事をしなくてはならないわけでは……ないはず、だ。」




「ふふっ、それも、信念?」




「ああ、そうだ。」



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