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 Colors of christmas 沖田

待ちに待った、クリスマス。




底冷えの街に、輝くイルミネーションが暖かな灯りを燈す。

それぞれがそれぞれの大切な人と、その時を過ごしている。




手を繋いでるカップル。

ケーキやチキンを持った家族。

サンタの帽子を被って笑いあってる友達同士。




そんな多くの人々が必ず足を止めるのが、このクリスマスツリーだ。




昔から語り継がれる、願いのクリスマスツリー。

大切な人と願い事をすることでその輝きを一層増すという伝説があるこのツリーは、昔からたくさんの人々を魅了してきた。




ほらここにも、また願い事を掛けようとしている人が…………











「せっかくお願い事するんだったら、もっと可愛くなれますように。とかにすれば?」




願いのツリーの前で、総司くんが意地悪そうに言った。




「えっ、ちょっと意地悪…。けっこうヘコむよ、それ。」




「あはは、嘘だよ。今日の君も、すごく可愛い。これ以上可愛くなってどうするの。」




ツリーを見る私を、総司くんは後ろからぎゅっと抱きしめた。

冷え切った背中が、じんわりと暖められていく。

空気は、そろそろ雪が降るんじゃないかってくらい冷え切っているのに。




「それで?君は何をお願い事するの?」




「総司くんの、剣道大会優勝。」




「え、それ、本当?」




そんなに意外だっただろうか。

目をまん丸にして驚く総司くんに私は思わず笑ってしまった。




妙に自信家のわりには、以外と自分の立ち位置に自信がない。

時々見える、そんな総司くんの可愛いところでもあり、私だから見せてくれる弱みでもあるのだけど。




「総司くん、毎日練習頑張ってるもん。今日も、手のひらのマメ一個増やしたでしょ?」




総司くんの剣道の上手さは、もはや全国レベルだけど、それでも満足することなく毎日練習を欠かさない。

大会が近い今は、特に大事な時期だ。




「気のせいじゃない?増えてないよ。」




「嘘。手繋いだらすぐ分かるんだから。」




だけど総司くんがこんなに頑張ってるのは、自分の為だけじゃない。師匠である近藤さんの為でもある。




誰かの為に頑張る、総司くんが好きだから。




「総司くんの努力が実を結びますように……。」




指を絡めてお祈りする私の肩を、総司くんがそっと包んだ。



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