コンビニ

「らっしゃいませー」
あー、よくくるハンチングだ。夜中にビールとかアイスとかよく買いにくる人。
コンビニっていっても住宅街の中にあるうちみたいなとこは、大体常連さんがほとんどだ。
うちの売りは酒とビールの種類が豊富な事。
そのせいか男性客が多い。
そんでもってだいたい顔なじみになる。別に会話とかするわけじゃないけど、なんとなく顔といつも買う銘柄くらいは覚える。
あれ、今日は珍しくワインなんて買ってくんだ。
しかもこれ、うちに置いてる中で一番高いヤツだ。そうはいってもブロンズのコンビニだからたかが知れてるけどさ。
へー、これ売れたのおれ初めて見たわ。
「おにーちゃんどうもね!」
「ありがとうございましたーっ」


「らっしゃいませー」
あ、ハンチング。今日は連れも一緒か。初めて見る顔だ。金髪の黒縁眼鏡。よくみるとイケメンだなー。
「ねーねー、バニーちゃん、アイス買ってもいい?」
「好きにすればいいじゃないですか。ちょっと、アイスは最後にしてください。」
「あっ、新製品。」
「虎徹さん、お菓子は買っても全部食べないでしょう。一つにしてください。」
「はーい。」
こいつらどういう関係?なんかおもしれー。
「ねね、つまみなんにする?」
「んー、そうですねぇ…確かチーズありましたよね?ハムとクラッカー買って行きましょう。」
「あれ?今日はバニーもビールにすんの?」
「ええ、なんとなくそんな気分なので。」
「あ、じゃあ、柿ピー買おうぜ。」
「なんですか?それ」
「えっ、柿ピーしらないの!?がーん…」
「そんなにショック受ける事ですか?」
「今日食べさせてやるから、な!」
「なんですか、大げさな…」
「あっ!」
「今度は何ですか?」
「バニーちゃんこれ・・・」
ん?雑誌コーナーで立ち止まってる。よく聞こえないなぁ。
「ああ、ヤラセですよ。売り出したいらしいですよ、この女優。」
「ふーん。バニーも大変だな。」
「仕事ですから。」
「おっ。入浴剤。バブルバス・ストロベリーだって!俺からストロベリーの香りってどうよ?」
「・・・なしですね。」
「ちぇ、つめてーの。」
「チョコレートっていうのもありますよ?」
「バニラフレーバーもいいですねぇ。」
「・・・ゆずでいいです。スイマセン。」
「さて、買い物はこんなところですか。あ、アイスはどれにします?」
「んー、バニーどれ食いたい?」
「僕はそんなに食べませんから、虎徹さんの好きなのにしたらいいですよ。」
「じゃあ、これ。」
「子供みたいなの好きですよね…」
「いいじゃんかすきなんだもん。」
「はいはい。」
「おにーちゃん、おねがい!」
「はいっ、いらっしゃいませ。」
あー、エールか。ふーん。あと柿ピーね。とクラッカー。あ、これもうちで一番高いハムだ。何気にセレブ?なわけないかブロンズだもんな。
あとチョコスナックの新製品とアイスキャンディーと。
「ありがとうございましたー。」
「どうもねー」


「らっしゃいませー」
あ、この間ハンチングと一緒に来てた金髪イケメンだ。今日は眼鏡違うのか。
すたすたと迷いなくアルコールの棚に行くとカゴに放り込む。
チルドで立ち止まって、レジカウンターに来た。と思ったら引き返してアイスか…。
「いらっしゃいませー」
あー、これハンチングがいつも買うビールだ。あとこの間買ってったうちで一番高いロゼ。そんでもってこれも一番いいチーズ。セレブはこいつか?
あ・・・ハンチングが買ったアイスキャンディー。ぷぷ。
「あっ、すいません。追加してもいいですか?」
「はい、どうぞ。」
小走りで何かとって来た。
あー、柿ピーね。お気に召していただけたようだ。
「ありがとうございましたー。」
「どうも。」


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