見知った人達



ソファーに座っていると部屋がノックされた。
「はい!」
返事をすればドアが開いた。私は振り返れば見たことがある女の人。
「団服を持ってきました。これに着替えろと兵長から伝言です」
団服を差し出しニコリと笑っているペトラさんがいた。
「あっ、ありがとうございます!」
すぐにソファーから立ち上がりペトラさんから団服を受け取った。
「何かすごい遠くから来たんだって?大変だったわね。何かあればいつでも相談してね?私はペトラ・ラル仲良くしてね」
ペトラさんは本当に優しい人だと思った。
「私はなまえです。えっと、こちらこそ仲良くして下さい」
ぺこりと頭を下げれば頭を撫でられた。
「なまえちゃんね。よろしく」
頭をあげればペトラさんは微笑んでいた。本当に可愛い人だなって思った。
「あの、早速なんですけどこの団服はどうやって着たらいいのでしょうか?」
私は貰った団服を見ながらいろいろ複雑そうな服に苦笑いをする。
「あぁ、初めてなんだもんね。教えてあげるよ」
私は着方を教えて貰いながら団服に着替えた。
「結構窮屈なんですね」
着替えながら苦笑いをした。
「そのうち慣れると思うよ?」
そして自由の翼のエンブレムがついたジャケットを羽織った。
「うん、完璧だね!」
ペトラさんは微笑んで言った。
私は両手を横に広げたりして自分が調査兵団の団服を着ていることに少し感動をした。
コスプレじゃなくてこれ本物なんだなと思ってしまった。
「ほぉ、悪くねぇな」
突然扉の方から声がした。驚いてそっちを見ればいつ入ってきたのかリヴァイさんが扉に背を預けてもたれていた。
「兵長!いつからそこにいたんですか?声くらいかけて下さいよ。着替えていたんですよ?」
ペトラさんが声を荒げて言った。
「俺が入ったときは着替え終わっていた」
「それでもノックくらいして下さい!」
ペトラさんは困った顔をして言った。
「…リヴァイさん、明日からよろしくお願いします!」
私は頭を下げて言えば「あぁ…」と短く返事をして出て行った。
「兵長は何をしに来たんだろう」
ペトラさんは一言呟いた。
「なまえちゃん明日から兵長に訓練して貰うんだってね?大変だと思うけど頑張ってね!」
「はい、ありがとうございます!」
私はペトラさんに微笑んだ。
「あっそうだ。そろそろ夕飯の時間になるし一緒に食堂に行かない?場所とかまだ分からないよね?」
そういえばお腹が空いた。いろいろしてたから昼ごはんも食べていない。
「はい!ぜひお願いします。全然場所とか分からないんですよ」
「それじゃ行こうか」
ペトラさんと自室を出て食堂へと向かった。

食堂へ着くと結構たくさんの人がいて混雑していた。
「今日は人が多いな。えっと…」
ペトラさんは誰かを探しているのかキョロキョロしていた。
「おーい!ペトラ、こっち!」
ペトラさんに手を振る男の人…あっ見たことある。
…リヴァイ班の人達だ。
「いたいた。同じ調査兵団の仲間なの。紹介するから、こっち来て!」
ニコニコ笑うペトラさんの後ろをついていく。
「紹介するね。なまえちゃん。兵長が言ってた子だよ」
リヴァイさんは私のことをちゃんと班のメンバーに知らせていてくれていたんだ。
「この子がか。よろしくな、俺はエルド・ジンだ」
「俺はオルオ・ボザドだ」
「グンタ・シュルツだ。よろしくな」
3人とも優しそうに笑っていた。
「はい。よろしくお願いします!」
私は頭を下げて挨拶をした。
「よし、自己紹介は終わりだ。メシ食べるぞ」
エルドさんが言えばみんなごはんを食べ始めた。
「はい、私たちの分だよ」
ペトラさんが2人分の食事をテーブルに置いた。
「ありがとうございます!いただきます」
ペトラさんの隣に座ってごはんを食べた。

他愛のない話をして楽しいごはんだった。これもリヴァイさんがみんなに私のことを話してくれたおかげなのかもしれない。
それにみんなの話を聞いている限り、私が異世界から来たことは知らない様子だった。
本当にリヴァイさんには感謝をしなくてはいけないと思った。

ごはんも食べ終わり、それぞれ自室へ戻る。
ペトラさんと別れて私も自室へと戻った。

普段着に着替えてベッドに入った。
明日から訓練が始まる。
不安と緊張でいっぱいだったが今日1日の疲れでそのまま寝てしまった。

そして訓練が始まる…。




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