初日訓練@



空の陽射しで目が覚めた。
背伸びをしてベッドから降りた。
顔を洗って歯磨きをして着替え始めた。
まだ昨日ペトラさんに教えて貰ったばかりで少し着替えに手こずったが何とか着替えられた。

そして今日から訓練が始まる。
リヴァイさんがやる訓練とか考えただけで恐ろしい気がしてきた。
食堂へと向かっている途中でハンジさんを見た。
「あっ、ハンジさんおはようございます!」
「おっなまえちゃん!おはよう。団服似合ってるねー。これから朝食かい」
ハンジはニコニコしながら私の団服姿を上から下までじっくり見ていた。
そんなハンジさんに苦笑いをして頷いた。
「はい、そうです。ハンジさんもですか?」
「私は今食べてきたところだよ。今日からリヴァイと訓練なんだってね?頑張ってね!」
私の肩をポンと叩いて笑いながら去って行った。

ハンジさんは風のような人だなと思いながら食堂へ行った。
食堂へ着くと見知った人はいなくてそのままごはんを受け取り適当に椅子に座って食べ始めた。

絶対今日の訓練厳しいだろうな。
考えながら食べ終えて少し休憩していると後ろから声が聞こえた。
「おい、なまえ。いつまでここで食ってるつもりだ?もう訓練始まるぞ」
驚いてビクッとなり急いで立ち上がる。
「リ、リヴァイさんおはようございます!今片付けて向かいます」
急いで食べ終えた食器を返却場所へ戻してリヴァイさんの傍に行く。
「…今日はまず調査兵団の敷地内を走る。持久力も必要となるからな。行くぞ」
そう言えばリヴァイさんは外へと向かって歩き出した。私もリヴァイさんを追いかけて付いて行った。

持久力?走るってことは持久走をするってことだよね?私、長距離走るの苦手なんだよね。
ごはん食べたばっかりだし、絶対横腹痛くなってアウトだ。
一瞬にして溜め息が出た。

外に出るとペトラさんたちがいた。
「なまえちゃんおはよー!」
ペトラさんがニコニコして手を振っていた。
「おはようございます!」
私は頭をさげて挨拶をした。

その場にいたのはペトラさん、エルドさん、オルオさん、グンタさんのメンバーだった。
「よし、お前ら始めるぞ」
リヴァイさんが指示を出す。
まさかこのメンバーで走るの?
「始めっ!」
突然のリヴァイさんの合図に慌てて走り出した。さすがに4人は速い。
…リヴァイさんは走らないんだ。

私は走り始めて1周もしないうちに横腹が痛み始めた。
嘘…やっぱり朝食なんて食べるべきじゃなかった。
なんであんなにみんな速いんだろ。
4人の背中を見ながら一生懸命走った。

「ちっ…おせぇ。もっと早く走れねぇのか!」
やっと1周走ったがリヴァイさんの舌打ちが聞こえた。
「す、すみません」
私はその一言を言うので精一杯だった。

一生懸命走るがやっぱり4人には追いつけない。すると前を走っていたはずのペトラさんが振り返って待ってくれていた。
「なまえちゃん大丈夫?横腹痛いの?」
ペトラさんは心配そうに首を傾げていた。
「…はぁ、はぁ…す、すみません。走ること…得意じゃないので、すみません…」
私は喋るのもいっぱいいっぱいになっていた。
「得意じゃないことって人にはあるからね。無理しないで頑張って!」
ペトラさんは優しく微笑んでみんながいるであろう場所へと戻って行くようにスピードを上げて走って行ってしまった。
ペトラさん凄すぎる。どうしてあんなに走れるのだろうか。こんなことになるなら毎日少しでも走っておくべきだった。
私は乱れる息に少し落ち着かせるようにふぅと深く息を吐いてまた走り出した。

「おい、なまえ。体力なさ過ぎじゃねぇか?立体機動に乗れる気がしねぇ」
リヴァイさんは私を止めて溜め息をした。
「す、すみません…。長距離走が苦手で…はぁはぁ…」
「もういい。予定変更だ。…おいお前ら。今から体力作りにする」
私は1周遅れをしていたのかもう4人は戻ってきた。
「兵長、了解です!」
4人は息も全然乱れていなかった。
本当に人間なのか私は気になった。
「今から腹筋、腕立て200回を3セットだ」

………はい?いやいや、無理でしょ?
普通に考えてそんなに出来る訳がない。
エルドさんたちは出来るかもしれないけどペトラさんも同じ女の人だ。
後ろにいる4人を振り返れば早速始めていた。
もちろんペトラさんも。

「嘘ーーっ!」
思わず叫んでしまった。
「なまえ、始めろ」
リヴァイさんのドスの聞いた怖い声が聞こえた。
私は一気に顔が青くなり急いで腹筋を始めた。

もちろんさっき走ったばかりで横腹の痛みは継続中で痛さのあまり腹筋が思うように出来ない。
…これは吐く。絶対に朝食べた物全部出る。

「…吐くなよ。汚ねぇから」
私の心を読み取ったのか見下されて言われた。
あまりの恐怖にただ頷くことしか出来なかった。

私は吐くのを必死に我慢しながら腹筋と腕立て伏せをやった。
みんなよりかなり遅れていたが午前中の訓練をなんとかやり終えた。




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