目覚めた朝



朝の射し込む光で目を覚ました。

「…あれ?…あっ、そうだった。昨日そのまま泊まったんだった」
私はベッドから起き上がり背伸びをした。

昨日はあのまま訓練兵の宿舎へ帰らなかったからきっと心配されてるだろう。
特にアルミン…。
私はため息をして、ベッドから降りてシャワーを浴びて着替えた。

まだ着る団服は訓練兵の団服。
訓練兵の団服の横には調査兵団の団服もある。
これはもう少ししたら着られるはずだ。

訓練兵の団服を取り出して羽織る。
そして部屋から出た。


「起きたか?」
部屋から出ると私の部屋の前の壁にもたれてリヴァイさんが待っていた。
「…!リヴァイさん!ここで待ってたんですか?」
私は驚いてリヴァイさんを見る。
「あまりに遅いからクソが出ねぇのかと思っていた」
「……いや、してませんから」
私は苦笑いをして言った。
「朝食を食べたらなまえを訓練兵の宿舎まで送る」
リヴァイさんはそう言って食堂へと向かって歩き出した。
「ちょっ、リヴァイさん!そんな送って貰わなくてもちゃんと帰れますよ!」
私はリヴァイさんの背中を追いかける。
「……気にするな」
リヴァイさんはそれだけ言って歩く。
「…じゃお願いします」
私は一言呟いてリヴァイさんと食堂へと行く。


「リヴァイ!…あれ?なまえちゃーん!」
ハンジさんがパンを食わえたまま私に気が付いて手を振ってくれた。
私も微笑んで手を振る。

リヴァイさんが2人分の朝食を持ってハンジさんの前に座る。
「あっ、リヴァイさんありがとうございます」
私はお礼を言ってリヴァイさんの横に座った。

「なんでなまえちゃんがいるの?…まさかリヴァイ、手を出したとかそんなことないだろうね?」
ハンジさんがリヴァイさんに疑いの眼差しを向ける。
「バカか!そんな訳ないだろっ!」
「だよねー。それはないと思っていたよ。…大丈夫だった?リヴァイがすごくなまえちゃんの心配してたからさ」
ハンジさんが私に小声で言う。
「えっ?…そうだったんですか?大丈夫です。ありがとうございます」
私は微笑んで言う。

「おい、クソメガネ!あまり変なことこいつに吹き込むなよ!」
「あっちゃー。聞こえてたか!」
ハンジさんは笑いながらパンを食べた。
私もパンとスープを美味しくいただいた。


ペトラさん達には会えなかったけどこれから調査兵団に入れば頻繁に会うことができるだろう。
ハンジさんと別れてからリヴァイさんに訓練兵の宿舎まで送ってもらった。

「リヴァイさん…エレンには会えないんですか?」
「エレンか…今は難しいな…」
「そうですよね、すみません」
今はエレンは憲兵団に監視されている。
会いたくてもまだ当分は会えないだろう。
「大丈夫だ、あいつのことは俺が何とかする」
リヴァイさんは真剣な顔で言った。
私はそんなリヴァイさんに「はい」と返事をした。

宿舎まで送ってもらい、リヴァイさんにお礼を言う。
「送ってくれてありがとうございました」
「いや、気にするな。何かあればすぐ言え」
「はい!分かりました」
私は微笑んで頷いた。

「なまえー!!!」
宿舎の方から声が聞こえて振り返ればアルミンとミカサがこちらに走ってくるのが見えた。
「あっ、アルミンとミカサ!」
「俺は帰る」
「えっ?リヴァイさん!」
そしてリヴァイさんはそのまま帰ってしまった。

「なまえ、心配したんだよ!」
アルミンが心配そうな顔をして言う。
「…あの人は?調査兵団の…。よく訓練兵の時になまえのところに来てた人…」
ミカサが呟く。
「あっ、そうだよ!昨日お世話になっちゃった」
「お世話って…何したの!!」
アルミンが驚いた顔をする。

「えっ?あー…よし!今日は何するの?」
私は苦笑いをして2人より先に歩く。
「ちょっ、なまえ!」
アルミンが私の名前を呼ぶ。

そしてアルミンとミカサがなまえが元気になって良かったと2人で微笑んだことは私は知らない。



今日も昨日と同様作業を繰り返した。

お昼になり、アルミンとミカサと食事をとる。
「エレンの審議?…何の?」
「よく分からないけど、エレンをどうするかってことだと思う…」
私はスープを飲みながら2人の会話を聞く。
「どうするかって…」
「多分…….生かすか、殺すか…」
その瞬間ミカサは立ち上がった。

私は驚いてスープを飲むのをやめてミカサを見上げる。
ミカサの顔は絶望的なような顔をしていた。

「ミカサ…」
私も立ち上がりミカサの肩に手を置く。

その時だ。
「ミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルト、なまえ!いるか!」

「はい!」
私達は声がする方へ振り返って返事をする。
「午後からの審議に証人として出廷しろと命令だ!」

私達は顔を見合わせてから返事をした。
そして憲兵団の人は用件を伝えて帰って行った。


「証人として?」
ミカサが呟く。
「でも審議に参加できるんだから、意見は言えるのかな?」
私が椅子に座り直してから言う。
「いや、意見は言えないと思うよ…多分」
アルミンも椅子に座る。

私達は急いで食事を済ませて、審議を行う場所へと急いで向かった。





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