久しぶりの再会



エレンとアルミンとミカサとごはんを食べる。
「なまえ食欲少しは出たんだね?」
アルミンが私の皿を見ながら安心した顔をする。
「うん。少しは食べなきゃ体力もたないし」
私はパンをちぎって口に入れる。
「アルミンずっと心配してたんだぜ?座学の時もなまえ大丈夫かなって言ってたし」
「ちょっと、エレン!」
アルミンは恥ずかしそうに言う。
「そんなに心配してくれたの?アルミンありがとう」
私はアルミンの優しさに本当に嬉しかった。

さすがに全部はやっぱり食べれなくてサシャに残りはあげた。
サシャは本当に嬉しそうに食べてくれてその顔を見てるだけでお腹いっぱいになった。

食堂で喋っていると突然キース教官がやってきた。
みんな緊張したように静かになる。
「なまえ、客だぞ」

私に客?誰だっけ?
………もしかして。
「おい、ここ掃除ちゃんとしてないだろ」
キース教官の後ろから入ってきたのは紛れもなくリヴァイさんだった。

「リヴァイさん!」
私は立ち上がってリヴァイさんの所へ行く。

「…自由の翼?調査兵団だ!」
目を輝かせるエレンがいる。
「なんで調査兵団がここにいるんだ?」
「なまえとどういう知り合い?」
周りが口々にいろいろ言いだしている。

「リヴァイさん、本当に来てくれたんですね?」
「…約束したからな」
「えっと…ここはちょっとあれなので外で話しましょう」
私は周りの視線が気になって、リヴァイさんの腕を引っ張って外へと出た。

「壁外調査お疲れ様でした。…ペトラさん達は無事ですか?」
私は笑顔で言うも壁外じゃ何があるか分からない。
「あいつらは無事だ…。なまえに会いたがっていた」
私はそれを聞いて嬉しくてなった。
「本当ですか?良かったです!私もみんなに会いたいって伝えて下さい!」
「……あぁ。伝えておく。それよりなまえ、今日倒れたのか?」

私はギョッとした。何故知っている?
「…なんで知ってるんですか?」
「自分の体調くらい自分で管理しろ。周りに迷惑がかかる」
リヴァイさんに怒られるのが久しぶりのような気がして怒られることもなんだか少し嬉しかった。
「はぁ…聞いてるのか?ニヤニヤするな」
「すみません。何かリヴァイさんに怒られるのが久しぶりだったので…」
「バカか…。ったく」
リヴァイさんはそう言うと私の頭を撫でた。
「体調悪いなら無理するな。わかったか?」

撫でてくれるリヴァイさんの手が優しくて私は微笑んで頷いた。
「分かってますよ。今後は気を付けますね」
その言葉を聞いたからかリヴァイさんの手が頭から離れた。

なんだかそれがとても寂しかった。
…私ってこんなに寂しがり屋だったっけ?この世界に来てから寂しがり屋になった気がする。
ここに来る前は一人暮らししても寂しいなんて感じたこと全然なかったのに…。

「なまえ?どうした?」
「あっすみません…」
「ここの生活には慣れたか?」
「はい、慣れましたよ。1人部屋じゃなくて女子みんなで寝るのでとても楽しいです!」

そう私は1人じゃない。周りには友達がいるし、1人でいることなんて少ない。それにリヴァイさんだってこうやって来てくれる。
寂しいって思うはずないのにこの気持ちは何?

「そうか。なまえが寂しいって言うのを期待して来たんだがな…」
リヴァイさんの言葉に驚いて、首を横に振る。
間違ってはなかった。
私は今、寂しいって思ってる。
「リヴァイさん、じゃ私が寂しいって言ったらどうするんですか?」
私は聞いてみた。リヴァイさんなら何て言うの?

リヴァイさんは少し驚いた顔をしていた。
「何だ、寂しいのか?」
「ち、違いますよ!例えばっていう話です!」
「………」
リヴァイさんが黙った。
「ちょっとリヴァイさん?黙らないで下さ…っ」

腕を引っ張られたと思ったら気付いた時はリヴァイさんに抱き締められていた。
そして頭をポンポンとされる。
「リ、リヴァイさん…」
抱き締められればリヴァイさんの匂いがする。石鹸のような落ち着くような匂いがして泣きそうになった。泣いてしまいたいって思ったけど我慢した。

「…我慢するなって言ったじゃねぇか」
その一言で私の目から涙が落ちた。リヴァイさんは最初から気付いていたのかもしれない。
私はただひたすら声を押し殺してしばらくリヴァイさんの胸で泣いた。

「すみません…」
私は涙を袖で拭ってリヴァイさんの腕の中から出る。
「目が腫れるぞ」
リヴァイさんはそう言ってハンカチを渡してくれた。
「あ、ありがとうございます」
「洗って返せよ」
「分かってますよ!」
なんだかそれがリヴァイさんらしくて笑った。

「なまえは笑顔でいろ。寂しかったら俺に言え」
私はリヴァイさんの言葉に驚いたが素直に頷いた。
「そろそろ帰るか。体調管理しっかりしろよ!また来てやるから」
リヴァイさんがまた頭を撫でてくれた。
「はい。私もみんなにも会いたいので今度行きますね!」
「来ることはいいが訓練はしっかりやれ。わかったな?」
「分かってますよ!リヴァイさんを私は超えるんですからね!」
「はぁ…まぁ頑張れよ」
私の肩に手をポンッと乗せてリヴァイさんはその場から去って行った。

リヴァイさんの背中を見ながらもっと訓練頑張ろうと思った。
リヴァイさんを見送ってから宿舎へと向かう。
宿舎に戻る途中顔を洗った。リヴァイさんに渡されたハンカチを取り出して顔を拭く。
ハンカチからはリヴァイさんの匂いがした。私は少し落ち着いて宿舎へと戻った。

宿舎に入ればみんなにジッと見られる。
「へっ…?どうしたの?」
「なまえ、あれは誰?」
ミカサが代表して聞いた。みんな同じことを思っているらしく真剣な顔。
「えっ…えっと、調査兵団の兵士長のリヴァイさんだよ」
「なまえ、目が腫れてる?」
サシャは芋を食べながら聞いてきた。
「サシャ…ここでも芋食べてるの?えっ?目、腫れてる?気のせいじゃないかな…うん」
「でも、調査兵団が来たからびっくりしたよ。エレンだけすごく興奮してたけど…」
クリスタが苦笑いして答えた。
「ごめんね。さてもう寝よう。体調完全回復して明日から頑張るから!」
私はそう言ってベッドへと入った。


リヴァイさんに抱き締められたのはこれで2回目。
思い出すだけでドキドキしてしまう。
…ドキドキしてる場合じゃない。また明日から頑張らなきゃ。

私はキュッと目を閉じて眠りについた。




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