訓練兵の仲間



立体機動の訓練が終わり、今日1日の訓練を終える。
食堂へと行けばパンとスープを貰い適当に空いている席に座った。

「お前も東洋人なのか?」
突然声を掛けられて振り返れば身長の高い男。
「そうだね。東洋人だと思うよ?」
「なんだそりゃ。自分で分からないのかよ」
その男は笑いながら私の前の席に座った。
「俺はジャン・キルシュタインって言うんだ」
「ジャンね。私はなまえ。…知ってると思うけど」
私もクスクスと笑った。
「ジャンが女の子口説いてる」
ジャンの隣に座るのはマルコ。
「口説いてねぇよ!」
マルコにツッコミを入れるジャンが面白くてまた笑ってしまった。
「東洋人ってミカサも東洋人だよね?」
ミカサの名前を出せば少し顔を赤くするジャン。私はそれを見て少しニヤリとする。
「…あぁ。そうだったな」
「ジャンってミカサが好きなの?」
私はサラッと言ったらジャンは飲み物を飲んでいたから咽せた。
「ゴホッ…ゴホッ…おい、なまえいきなり何を言い出すんだよ」
「ごめん。違ったならいいの。何となく聞いただけだから」
私は知っているけどそれ以上は踏み込まない。ジャンの隣に座るマルコも笑っていた。

「なまえは卒業したらどこの団に入るんだ?」
ジャンは話を変えてきた。
「えっ?私?…調査兵団だよ」
私はパンを千切って口に入れる。
「ちょ…調査兵団だと?なんでそんな所に?」
ジャンは大きな声で言い、驚いた顔をしている。ジャンの大きい声で周りがこちらを見ている。

「なんでって…巨人からみんなを守りたいからかな?大切な人を失わないため?うーん…何て言えばいいかな…」
私は悩みながら答えた。そして周りを見れば視線はだいぶなくなった。少しホッとする。
「そうなのか…。調査兵団より憲兵団にしたらどうだ?内地の生活は悪くないと思うぞ」
「私、運動神経とかないし頭もあまり良くないから憲兵団には入れないと思うよ。ジャンやマルコなら入れるよ!憲兵団になるんだよね?頑張ってね!」
私は2人に微笑めば最後のスープを飲み干して手を合わせて「ご馳走様」と言い立ち上がる。
「じゃお先に!」
私は食器を片付けて外に出た。

外は暗くなっていた。星が綺麗だった。私が住んでいた所はこんなに星は見えなかった。

リヴァイさん達は頑張っているだろうか。
きっと頑張っている、だから私も頑張ろう。

「なまえ!」
名前を呼ばれて振り返ればエレンとミカサとアルミンがいた。
「3人ともどうしたの?」
私は不思議そうに3人を見る。
「なまえ、調査兵団に入るってのは本当か?」
エレンが目を輝かせて言った。
「えっ、うん。本当だよ」
「そっか。俺も調査兵団に入るんだ!絶対に巨人を駆逐してやるんだ」
エレンの言葉に私は少し安心した。アニメのまんま。何も変わってない。
「エレンも調査兵団志願なんだね。ミカサとアルミンは違うの?」
私はミカサとアルミンを見て尋ねる。
「僕は…まだ分からない」
「私はエレンが行くならついて行く。エレンは家族だから…」
2人の言葉に微笑む。アルミンもミカサも変わらない。
「そっか。まだ時間はあるから考えたらいいよ。ミカサはエレンが大切なんだね」
「大切…」
ミカサはそれだけ呟くと黙ってしまった。

私は3人に宿舎まで案内して貰った。
「俺たちはこっち。女子はあっちだ」
エレンが指を指して教えてくれる。
「ありがとう。ミカサ行こっ。じゃおやすみ」
私はエレンとアルミンに挨拶をしてミカサと一緒に宿舎へと行った。

宿舎に着くと2人の女の子がいた。
「あっなまえだったよね?私、クリスタ・レンズ。同じ部屋だからよろしくね?」
私より少し身長が低い可愛らしい女の子が微笑んで言った。
「クリスタだね。うん!よろしくね」
可愛い…これはみんなが結婚したいって思う訳だ。
1人納得してしまった。

「私はユミルだ。よろしく」
まるでクリスタを守っているかのように隣にいる女の子を見て私は微笑んで「よろしく」と言った。

この1日だけでたくさんの友達が出来た気がする。
私はここで出来た友達、仲間を大切にして守りたい。力不足かもしれないけど私が出来ることはやりたいんだ。

巨人からみんなを守る。今はそれが目標。




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