1ヶ月の訓練



それから1ヶ月必死だった。今までこんなに必死で頑張ったことない気がする。
学生時代、部活や勉強をいかに必死でやっていなかったことがよく分かった。

訓練は厳しさを増してバンジージャンプまでやらされた。

「リヴァイさん…む、無理です」
下を見ればかなり遠くに地面が見える。命綱は付けているかやっぱり怖い。
「立体機動も似たようなものだ。飛べ…」
リヴァイさんは私の隣で腕組みをして見てる。

確かにアニメで観てるとバンジージャンプと似たようにアンカーを突き刺して下に降りたり、上にあがったり、更には移動するときも使っていた。
そうなるとずっとバンジージャンプだ。
ジェットコースターは嫌いじゃなかった。むしろ好きな方だ。
でもジェットコースターとバンジージャンプは全然違う。
「はぁ…いいから、行けっ」
リヴァイさんが溜め息をしたと思ったら背中を押されて真っ逆さまに落ちていった。

「……っ…いやぁぁぁぁ…」
声がすごく響いた気がする。
「…うるせぇ」
リヴァイさんが耳を塞いでいたのは私は知らない。

自室へ戻れば腹筋、腕立て伏せ。リヴァイさんに言われた通り毎日欠かさずにやり続けた。
そして柔軟。前よりは柔らかくなった気がする。多分…きっと。

自分で立体機動装置を付けることも出来るようになった。
そして立体機動装置を付けての長距離走。これが本当に辛かった。
でもこれを毎日やることで重さに耐えられるようになってきた。
みんなに遅れることは何度もあるけどペトラさん達は待っててくれたりして本当に優しい人達だなって思った。
毎回オルオさんには文句言われるけど…。

訓練の中で一番楽しかったのは馬術訓練。馬は懐いてくれて可愛かったし何より馬に乗って走れるっていうのが爽快で本当に楽しかった。

「なまえは馬に乗ってる時は楽しそうだな」
隣を馬で走るリヴァイさんに言われて素直に頷いた。
「はい!すごく楽しいです。名前付けようと思うんですけど何がいいと思いますか?」
「…好きにしろ」
リヴァイさんは素っ気なく言う。
「じゃリヴァイって付けようかな…」
「馬に俺の名前を付けるな!もっとマシな名前にしろ」
「それじゃ…うん、決めました」
私は微笑んで馬を撫でた。
「…何にしたんだ?」「内緒です!」
私は目線をこっちに送るリヴァイさんに満面の笑みで答えた。
「あまり喋ると舌噛むぞ」
リヴァイさんはそう言えば私より前に走り出した。
「リヴァイさんだって喋ってたじゃん。ねぇ、へいちょう…?」
私は愛馬に"へいちょう"と名付けた。これは誰にも言えない愛馬と私の内緒。


立体機動装置を付けて森を駆ける。1ヶ月が経つ頃には何とか出来るようになった。さすがにペトラさんたちのペースにはまだ及ばないけど。
「なまえちゃん、立体機動上手になったね」
途中でペトラさんが立体機動で飛んだまま後ろを振り返って言った。
「本当ですか?ありがとうございます」
私は微笑んでアンカーを刺してみんなに着いて行く。
それでもたまにアンカーを外すのが遅れて怒られることもしばしば。

まさか私が立体機動に乗れるようになるなんて1ヶ月前は思いもしなかった。
きっと奈緒が羨ましがるに違いない。帰ったら自慢してやろう。……帰れたらだけど。


そしてリヴァイさんとの個人訓練が終わりを告げる。訓練兵達と合流するときが迫ってきた。




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