立体機動装置



寝返りをしようと横を向いたときだった。

「…っ!!痛っ!」
体が悲鳴をあげるように痛みだした。
思わず上体を起こすも体が痛くてそのまま固まる。
「ヤバイ…筋肉痛だ…。これじゃ動けない」
あまりの痛さに半泣き状態だった。
考えている間に時間は過ぎていく。動くしかないため痛みを我慢してベッドから降りようとしたときにバランスを崩してベッドから落ちた。
「ドーンッ」と大きな音が響く。

「…いったー…もう最悪…」
ベッドから落ちたまま呟けば部屋のドアが突然開いた。
「なまえ、何をしている?」
きっと隣の部屋まで落ちた音が響いたのだろう。リヴァイさんが部屋の中に入ってきた。
「…あの、すみません。体が痛くて…ベッドから落ちました」
私は首だけ上げてリヴァイさんを見る。
「はぁ…何やってるんだよ、バカ。…体が痛いってまさか筋肉痛じゃないだろうな?」
「……その通りです」
「…はぁ、日頃運動してないからそんなことになるんだ」
リヴァイさんは二度も溜め息をした。
「すみません…」
私は謝ればリヴァイさんがしゃがんだため目線が同じになる。
「…リヴァイさん?…っ、えぇ!」
リヴァイさんが膝の後ろと背中に手を入れれば簡単に横抱き(お姫様抱っこ)をしてベッドへと乗せられた。
「お前は軽すぎる。もっと食え。それと、体が痛いからと言って訓練は休まないからな」
リヴァイさんに睨まれながら言えばそのまま部屋を出て行ってしまった。

…鬼なのか、優しいのか。それともツンデレ?さっきの出来事を思い出して少し顔が火照る。
首を横に振って、顔をパシッと叩いた。
「うん、着替えよう!」
自分に喝を入れて痛い体を動かして何とか着替えることができた。

それからが地獄だった。訓練は体が痛いし、本当に半泣き状態で必死だった。
柔軟なんて悲鳴しかでなかった。
「いっ…いたーーーーぁぁい!」
「黙ってやれ!叫ぶ気力があるなら体動かせ!」
リヴァイさんの怒鳴り声が外に響いていただろう。

それから1週間、体の痛みに耐えて体力をつけていった。
体も慣れてきたのか筋肉痛もなくなってきたし、ごはんも何とか食べれるようになった。
ペトラさんたちもごはんを食べる私を見て安心したような笑みを浮かべていた。


そしてついに、今日は立体機動装置を取り付ける日。
目の前に置かれる立体機動装置を見て改めてすごい装置だなと思った。
ペトラさんに取り付け方を教えてもらって立体機動装置を持ち上げて驚いた。
「これ、こんなに重たいんですか?」
体力をつける理由がよく分かった。前の私なら確実にこんなの持ち上げることすら出来なかった。
「重たいよね?大丈夫、慣れるから」
ペトラさんは私に立体機動装置を取り付けながら微笑んだ。

この重さに慣れる人いるのかな?…でもこれ付けてみんな普通に飛んでた。
これ付けて走ってた。…やっぱり現実的には無理だと思うけど。

「よし!これを自分で付けられるようにしてね?」
「あっ、はい」
立体機動装置の重さにまだ驚きながら頷いた。

そして立体機動装置を付けた訓練が始まった。
最初はアンカーの出し方さえも分からず戸惑ったりしてリヴァイさんに怒られた。
それに立体機動装置を付けたままでは体力がなさ過ぎる。
まだまだ鍛え足りない。そりゃまだ1週間だもん。
もっと頑張って体力つけなくちゃ!
立体機動装置を付けてみて更に実感したのだった。




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