初日訓練A



午後はまた体力作りをやるのかと思っていたけど見たことがある装置が自分の前にあった。

「今から立体機動適性検査をやる」
リヴァイさんはオルオさんを呼んでオルオさんの腰にロープをつけ始めた。
これは確か出来なかったら開拓地へ送られるやつだった気がする。
バランス感覚とかいるのかな?
エレンは顔面から地面に強打してた。あの時エレンはベルトが壊れていたからだった。でも私は運動神経がない。ってことは出来るのかな?顔面を強打することは避けたい。

オルオさんが吊り上げられる。
安定していて全くブレることがなかった。
「ただぶら下がるだけだ。全身のベルトで体のバランスを取れ。バランスを崩せばわかってるな?」
リヴァイさんの言葉に少し身震いをした。

オルオさんと私が交代する。
ペトラさんが両側の腰にロープを繋いでくれる。
「大丈夫だから、あまり緊張しないで?」
私は苦笑いをすることしか出来なかった。

「じゃペトラ、上げてくれ」
リヴァイさんの指示でペトラさんは私を吊り上げ始める。
足が地面から離れる感覚がした。
私はバランスを取ってなんとか倒れないように保つことが出来た。
「…悪くない」
リヴァイさんは私を見上げながら呟いた。

私は意外にも倒れそうにならないことに驚いた。たまに少しふらっとするが安定はしていた。
「ペトラ、下ろせ」
私は地面へと足を着いた。
「立体機動には乗れる素質はある。あとは体力をつけろ」
私はホッと一安心した。
これで立体機動装置はつけられる。でもあんなアニメで見たように軽快に飛べるのか心配だ。

「なまえちゃん良かったね!」
ペトラさんは嬉しそうに笑ってくれた。私もペトラさんの笑顔につられて笑った。

適性検査の後はまた体力作りになった。
必死にみんなの後ろをついて行くように長距離を走って、腹筋したり腕立て伏せしたり…。
最後は柔軟運動までやった。
私は人より柔軟性がない。リヴァイさんに背中を思いっきり下へ倒された。
「い、痛いです!リヴァイさん私、死んじゃいます!」
「こんなことで死ぬようじゃ壁外に出たら即死だ」
涙目になりながら訴えるも鼻で笑われて更に倒そうと体重をかけられたのだった。

そして長かった1日が終わった。
これがあと1ヶ月続いて、そして3年間訓練兵をしなくてはいけない。
その訓練に耐えてもその後は巨人と闘う。

死にたくはない。
そのために私は必死で訓練するしかない。
周りの誰も死なせたくないから。




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