Power of love自分を守る力を、 誰かを守る力を教えてくれたあの人は、僕のすごくすごく大事な人。 「シノンさん!」 砦の入り口で見張りについていたのを見つけて、駆け足で近づく。そんな僕に、シノンさんはすぐに気付いてくれて、こっちに歩いてきてくれた。 「どうした、ヨファ?」 「あのね、…今日は大丈夫?」 みんなには内緒にしてる弓の特訓のことを伝えたくて、言葉にはせずに、シノンさんの持っていた弓に視線を送る。それで分かってくれたのか、ぽんと頭を撫でてくれた。 「あぁ、後から野草摘みに行く時にな」 「ありがとう!」 嬉しくってにこにこ笑ってた僕の頭をくしゃくしゃって撫でてくれて。それがくすぐったくて嬉しくて、また笑った。 「お前は素質あるからな。その内、戦いにだって出れるようになる」 周りに聞かれないようにか小さな声で告げられた言葉にびっくりして、顔を上げる。真っすぐに僕を見てくれてるシノンさんは嘘をついてる目じゃなくて。誉めてもらえたってことが嬉しくて、何だかすごく誇らしかった。 「…ま、俺が教えるんだ。それ位強くなってもらわねぇとな」 「うん!僕がんばる!」 自信満々に笑ったシノンさんに力一杯頷いて、宣言する。 …もっともっと強くなって、戦場に出れるようになったら、もう今までみたいに震えながら帰りを待つこともなくなるから。 「…シノンさん、僕がんばってもっともっと強くなる」 ―そう。もう守ってもらうんじゃなくて、守れるように。 「それで、いつか…」 ―いつか、きっとシノンさんを守れるようになりたい。大事な大事な人だから。 …僕が、守りたいから。 「…ヨファ?」 「えへへ…何でもない!」 まだ守れるほどの力はないから、この気持ちは内緒だけど。 …いつか、きっと伝えたい。 ―シノンさんは僕が守るって。 END 小さい子が大人を守る!って言ってる姿が可愛くて好きvv 逆っぽいけど、ヨファシノです←← |