disteny lovers意外って言われるけど、占いとかは割と信じる方で。 だから、占い師さんに「運命の人が現れる」って言われた時も楽しみで、わくわくして。 ─だから。この話を聞いた時も、すごくドキドキした。 「運命の赤い糸って知ってる?」 大将とやりあって、ぼろぼろになったあたしに、ライブをかけてくれていたキルロイさんにそう問い掛ける。 キルロイさんは一瞬、考え込むように宙に視線を彷徨わせて。 そして、静かに首を横に振った。 「いや…聞いたことないけど…」 何かのおまじない?と問い掛けられ、笑って返す。 「んー…おまじない、みたいな感じかな。イレースに聞いたんだけどね…」 ──占いが割と好きだと話した私にイレースが教えてくれた、おまじないみたいな話。 運命の人と自分を繋ぐ、小指の赤い糸。 「みんな運命の人と、小指の見えない赤い糸で繋がってるんだって」 そう言って、左の小指をぴこぴこと動かしてみせると、キルロイさんはふんわりと笑った。 「素敵な話だね」 「でしょ?あたしのは誰と繋がってるのかなー」 見えたら探しに行くのにと口を尖らせると、キルロイさんは、きょとんとその言葉に首を傾げた。 「すぐに会いたいの?」 「もちろんだよ!だって、運命の人ってことは、運命のライバルってことじゃない?やっぱり勝負してみたいし」 嬉々として、そう話すあたしに、優しく笑ってキルロイさんが頭を撫でてくれた。 「ワユさんらしいけど、無理はしちゃダメだからね?」 何だか子供にするみたいなその仕草がくすぐったくて。…でも、何だか淋しくて。 そう思う訳が分からなくて、とりあえず俯いて、小さく頷いた。 ──ねえ、キルロイさん。 運命のライバルに会いたいって今でも思ってるけど、運命の人だったら良いなって思う人はいるんだ。 「…キルロイさんは、誰と繋がってるのかな…」 「?何か言った?」 「な、何でもないよ!」 ─…神様、どうか。 キルロイさんの運命の赤い糸がここに繋がっていますように。 そう願いを込めて、小さく左の小指にキスをした。 end. 意外と乙女なワユさんが可愛いなぁと思うのですが、どうでしょうか。 占い師の言葉を信じてるとことか可愛いなぁと思いますv |