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rainbow rainbow





──貴女を守れる盾になりたいと、傷つく貴女を見るたびに何度思っただろう。

















「ふぅ…」


一息軽く息を吐き出して、深々と息を吸い込み、瞳を閉じる。
指先を宙に向け、そこに意識を集中させる。

神へ捧げる言葉を唱えながら、指先に魔力が集まっていくのを感じる。最大まで引き付けるように意識を集中させ、閉じていた瞳を開き、宙を見据えた。


「ライト!」


言葉と共に放たれた魔力は魔法となり、宙で弾ける。
上手く手順を踏めたことに安堵し、ふっと息を吐き出すと、ぱちぱちと手を叩く音が後ろから聞こえた。


「すごい、すごい!ホントに光魔法使えるようになったんだね!」


「…!ワユさん」


慌てて振り返り、拍手の主の名前を呼ぶ。どうしてここに、と言葉を続けようとした所で、満面の笑みを向けられる。


「大将にここで練習してるって聞いて気になってさ。でも、さすがだね!」


もう使いこなせてるなんて、と無邪気に笑顔を向けられ、言葉につまる。
誉められた気恥ずかしさで、顔がかぁと赤くなるのが分かって、思わず視線を逸らす。


「そ、そんなことないよ。まだ実戦でやったことはないし…」


「キルロイさんなら絶対大丈夫だって!でも、これで一緒に前線に出ていけるね」


その言葉に逸らしていた視線を戻すと、あ、もちろん皆の傷も治さなきゃダメだけど、と慌てて付け加えたワユさんをじっと見つめた。


―…そう。これからは、一緒に前線に立っていける力を得たんだ。



「…そうだね」


もう守られるだけの存在でなくて良い。


貴女と共に立てる強さを得たから。



「…今度は、僕がワユさんを守るから」


「へ?何か言った??」


「何でもないよ」



貴女が僕の剣となって、僕を守るなら、僕が盾になって貴女を守るから。


だから──…。


「これからもよろしくね、ワユさん」


「うん!二人で頑張って大将驚かせようね!」



──これからも貴女の隣にいれますように。



そう願って、無邪気に笑う彼女に精一杯の愛しさを込めて、微笑み返した。





end.






クラスチェンジした記念に書いたもの(笑)
キルロイさんはきっとワユさんに守られてるのをすごく気にしてそうだなあと。