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Carnation







同期の騎士は、それこそ星の数ほどいた。

その多くの出会いの中で、たった一人、共に在り、道を同じくしたいと思ったんだ。





「オスカー!」

「やぁ、ケビン」

「勝負だっ!!」

廊下を歩く永遠のライバルである糸目──オスカーを見た瞬間、考えるよりも先にそう言葉が出ていた。
オスカーは相変わらず考えの読めない表情で、一瞬口をつぐみ。すぐにいつものように微笑んだ。

「…いつもながら急だね」

「貴様と決着がついていないものは多々あるからな!」

愛馬での騎馬走に手合わせなど、今までやってきた勝負の数々を思い出す。
そのどれもに未だ納得のいく結果を得られてはいなかった。そのことを思い出して、つい熱を込めて話していた俺をじっと見つめて。オスカーは静かに言葉を紡いだ。

「…ねぇ、ケビン。どうして私とそんなに勝負したがるんだい?」

「そんなもの決まっているだろう!貴様が俺の永遠の好敵手だからだ!」

そう、理由は簡単──永遠の好敵手だから。

だから、たくさんの同僚がいる中で、負けたくないと思った。

─永遠の好敵手だから、道を同じくしたいと願った。

──だから、負けられない。負けたくない。

共に歩んでいくために。


強く、強くなりたい。

いや、共に強くなっていきたいんだ。




end


【Carnation】
花言葉:よき競争相手