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sweet emotion




君の声、君の仕草に高鳴る鼓動は大きくて。

平静な顔が出来ているか、時々不安になるんだ。











「サザさん」

呼ばれた声に、ぼんやりと空を見上げていた視線を声のした方向へと移す。

そこには吹く風に柔らかそうな長い黒髪をなびかせたお嬢様──ステラの姿があった。

「どうかしたか?」

「いえ……その…デインに来てから、元気がないように見えたもので…」

気のせいなら良いんです、と続けられた言葉に、ふと先日のことが頭を過った。


──先日。
探し人であるミカヤを探しに、いつもの路地に行ってはみたものの、やはりその姿はなく。

何処にいるのか、見当がつかない事実にため息を吐きたくなった。


──早く会って、無事を確かめたい気持ちは今でも変わらないけれど。


でも、それでも─…


「…あの、サザさん?」

やっぱり何かあったのかと不安げに揺れる瞳に、小さく首を横に振ってみせた。

「何でもない」

…それでも、このデインに留まらずにいようと思ったのは、この軍の─アイクさんの行く末を見届けたかったから。

そして─…。


「あの…私じゃ力になれないかもしれないですけど…何かあったら話して下さいね」

そう縋るような口調で言って、そっと握り締められた右手があたたかくて、心地よくて。

とくん、と鼓動が強く高鳴った。


─…そう。
家族であるミカヤと同じくらい大事な存在を見つけてしまったから。


握り締められた右手をそっと握り返せば、ステラは驚いたように目をしばたかせて。
そして、酷く嬉しそうに顔を綻ばせた。

その柔らかな笑顔に心臓は鼓動を早めて。
熱くなっていく顔を隠すように、空いた手でステラを抱き締めた。




end.





久々に書いたサザステでした。分かってる、マイナーな事くらい分かってるさ…!だが、好きなものは好きなんだからしょうがないよね☆(ぁ)
ちょっとほろ苦テイストな仕上がりになりましたが、甘々でも何でも好きです。というか、サザステが好きです(笑)