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気付いてしまった




お願いだから無理をするな。
そう言ってサザさんは私の手をとった。見た目以上に骨張った指は、彼が男の子なんだという事を改めて感じさせた。

「こんなになるまで…。お前、限界って言葉知ってるか?」
「はい…」
「鍛練で怪我して、本番役にたてなかったら意味ないだろ」

弓の鍛練中、やり過ぎたのか手が痙ってしまった。皆自分の事でいっぱいだから、誰かに助けを求める訳にはいかないと思い私は一人で自分の手当てをしようとした。
しかし、慣れない手当てのせいか一向に治らない。このままではまずい、と途方に暮れていた時、サザさんがやって来た。
そして私の手を見て一言。お願いだから無理をするな、と。

「ほら、これでどうだ?」
「あ…痛くない…。ありがとうございます…!」
「ほどほどにしろよな」
「あ…あの!」

サザさんはいつも用が終わると早急に何処かへ行ってしまう。
私はそれを寂しく思う。だから今日は呼び止めた。
一瞬困ったような顔をしたけれど、サザさんはちゃんと振り向き、止まってくれた。

「…なんだ?」
「どうして、こんなに優しくしてくださるのですか?」
「嫌か?」
「いいえ! そんな事はありませんわ! ただ…サザさんはあまり他人に干渉する方ではないので…」

たまにアイク様やトパックさんとお話しているのを見掛けるけれど、サザさんが他の人と何か会話したりする所を私は見た事がない。
私が知らないだけかもしれないけれど。

「…から…」
「え?」
「お前の事。放っておけないから。何か危なっかしいし」
「そ、そんな…」
「イレースだっけ? あいつも危なっかしいけど、ツイハークがいるから…。でも、お前には構ってくれる奴、いなさそうだからな」

平然を装ってるように見えたけれど、私は気付いてしまいました。
サザさんの耳が赤くなっている事と、それ以上に私の頬が赤くなっている事に。



気付いてしまった






メルティシュガーのサラサ様から、相互記念に頂きました!うわあああ!!サザステですよ!サザステですよ!!?(ヲチツケ
めちゃ可愛いステラ嬢と幼いながらに男前なサザにドキドキでしたvvホントにありがとうございました!これからもよろしくお願いします。