見せかけの情達は | ナノ

目と夢が覚めたら


「ん、、っ....」

迚も永い刻の中を眠っていた気がする。

「起きたか、タクト。おはよう」

「おはよう、リュイ」

目覚めると何時もより機嫌が良い、リュイがいた。ぎゅ、とすっぽり身体を包まれてとくんとくんと心臓の音が聞こえる。

「何かあった?俺が寝てる間に勇者来て倒したとか?でも、殺気には気付くしそれはないか...」

「いや、なにもない。お前が隣にいるのが嬉しくてな」

幸せそうに、俺の頭を撫でた。

「なんだそれ、何時も一緒にいるじゃないか」

「当たり前の事が、幸せだって改めて思ったからな」

「やっぱ、体調悪いとか?」

何時もは言わないことをリュイが言うので、おでこに手を当てて熱を測る。それでも、正常でどうしたのだろうと首を傾げた。

「悪くない、ありがとうタクト。お前こそ、怠くないか?」

「あ、なんかちょっと怠いかも...」

「まだ休んでろ、階段から落ちて身体中ぶつけたんだから。治癒力で治ってるが、念の為にな」

「...わかった」

身に覚えないんだけど、リュイが言うのならそうなのだろう。俺から唇にちゅっとおやすみのキスをした。

「おやすみ」

「....おやすみ」

傍にリュイがいるという安心感に包まれて俺はゆっくり目を閉じた。


End.



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